夢について

久しぶりにたくさんの夢を見た。

全てのものが幼かった頃の大きさで、今では小さく感じる場所も大きくて、すぐに道に迷ってしまう。

暖かい日差しと、刺すような曇り空が違和感なく不自然に交差していて、そんな場所がずっと心地よかった。

部屋の内と外の極端なコントラストと、その間の道と、忘却。
起きてみれば、その空間のディティールが何かしらの思い出の一部である事を強く感じる。

夢というのは、切り刻まれた現実なんだと思う、目覚めの瞬間。
夢は全くもって神からのお徴なんかではなくて、ただ自分の記憶を不格好に再構築したものだという事を知るこの時は、ある意味では残酷なのかなとか思ったりもする。
自分が死ぬまで、延々と自分という殻の中に意識があるって事だから。

でも、夢が自分が得た現実の再構築物なら、ひょっとしたらどこかにその場所があるのかもしれないという希望もあるにはある。

結局、そういうスピリチュアルな感覚っていうのは、よく見てみると自分というものがえぐい位滲み出ている。

自分は、自分以外の誰かになりたくもあるけど、結局自分以外無い。
自分の外にあるものも、内にあるものも全部、自分そのものでしかない。
強いて言えば、自分を構成しているものは、この世界からのインタラクションの結果ではあるから、他人が自分を構成しているとも言えるけど。

不格好に再構築された、自分なりの現実。
それが夢の正体だと自分は思う。

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