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ヘビのケージ脱走時の捕獲法

ケージの仕様が万全な場合、ヘビがそこから逃げ出すという事故はほぼ100%防ぐことができます。
とはいえ、さまざまな理由でオーダーケージを用意できないケースもあります。
*オーダーケージを用意していながら脱走された、という飼育管理者の単純な "不注意" による事故だけは避けたいものです。

そのような場合にヘビが脱走したというケースで、ヘビを捕獲する方法についてご紹介いたします。

はじめにお断りしておくと、この方法はあくまでも "飼育している室内にヘビが残っている" という場合に限るもので、もし室外、あるいは屋外に脱走してしまった場合には再度捕獲することは極めて困難であるということをご承知おきください。また、ニシキヘビやボアなど、巨大化したヘビの脱走時にも応用できないと思います。このようなヘビでは、とにかく最初に必ず堅牢なオーダーケージを用意すること。それができない場合には飼育は不可能である、と考える必要があるでしょう。

さて、脱走してしまったようだ、と考えた際にはまず、必ずケージの中をくまなく探します。
ヘビはかなり狭い隙間にも潜り込みますので、脱走したと思ったのが実はケージ内の狭い場所に隠れていたと言うケースは往々にしてあります。あるいは土などの床材を使用している場合には、必ずすべて外に出して確認します。

その上でも確かにケージ内には絶対にいない、と確認できた場合には、次にご紹介するヘビの捕獲トラップを設置します。

餌、水を利用した捕獲トラップ

ヘビはかなりの長期間にわたって絶食をすることができます。これは種や個体を問わず、代謝が高いと言われているヘビであっても同じです。
ほとんど運動しないような状況の場合には、1カ月、2カ月と餌を食べなくても死んでしまうようなことはない場合が少なくありません。
とはいえ、では食欲がないのかといえばそんなことはありません。(過度のストレス負荷や疾病によって食欲がなくなることはありますが。。。)
したがって相応な時間経過ののち、餌があれば食べようとします。

また、水の摂取は彼らにとって必須で、餌とは異なり、水が摂取できない場合には比較的短期間で体力を消耗し、絶望的な健康状態にまで陥ることは少なくありません。

これらの性質を踏まえて、餌と水を利用した捕獲トラップを設置すると、多くの場合でヘビは捕獲できます。
少なくとも、(ここ10年(20年かも。。。覚えていませんが))以上、ヘビに脱走されたという記憶はありませんが、脱走時にこのトラップを使用して捕獲できなかったケースはこれまでに "0" ですので有効であると思われます。

まずはヘビのサイズに合わせて1辺が10㎝〜20㎝程度の四角い皿を用意します。皿の形状は丸でもよいのですが、この後に仕掛ける "トラップ部分" を設置するのに、四角い方が都合が良いと思います。

この四角い皿に、"それまで与えていた餌" をできるだけ "皿に平らになるように" 乗せます。"山盛り" に乗せるとトラップを超えて餌にたどり着いてしまう可能性が考えられますので、量は多めでもできるだけ皿と平行に、高さは出ないように乗せた方が良いでしょう。

この皿の周りに、これもヘビのサイズに合わせて幅10㎝〜20㎝程度の幅で、強い粘着テープを "粘着面が上にくるように" "テープをリング状にして" 床面に貼り付けます。四角い皿の4辺、すべての周りに粘着テープが幅広く床面についているといったイメージです。

同じようなトラップを、餌の他に水でも仕掛けます。こちらも深さのあまりない皿に水を入れてその周りに粘着テープを貼り付けるといった具合です。

餌や水は1カ所だけではなく部屋の複数箇所に設置した方がより効果的です。尚且つ、部屋の中央ではなく、部屋の隅、できるだけヘビが周囲に気を使わなくて済むような場所に設置すると捕獲しやすい傾向があります。
これらのトラップを、2-3日に1回(エサによって腐りやすいものの場合には皿に短期間の間隔で)餌や水を変えながら1カ月程度、継続して設置します。

このトラップで1カ月以内にはほぼ確実に捕獲できると思います。逆にいえば、1カ月程度続けても捕獲できないという場合には、部屋から脱走してしまった可能性が高いと考えられます。

もしその場合には、知らぬふりをしたり、一人で探し回ろうとするようなことは避けた方が良いでしょう。シマヘビやアオダイショウといった国産種で、尚且つ付近にヘビが生息しているような場所がある場合はともかく、外国産のヘビである場合には例えそれば無毒の種であっても近隣の人々に大きな不安を抱かせる原因にもなります。
基本的にはヘビは人から嫌われる動物、尚且つすべてのヘビが有毒種であると考えている人が多いと言うことを常に頭に入れておく必要があります。

それを踏まえ、もし屋外に脱走してしまったと考えられる場合にはすぐに近隣の派出所に報告します。
遺失物としての申請を行うことで、見つかれば命を落とすことを避けられる可能性もあります。
*屋外に脱走してしまった場合には命を奪われる可能性が高いことは覚悟しなければなりません。


今日は脱走時の捕獲方法(屋内にヘビが残っている場合)をご紹介しました。まずは絶対に脱走させないことが何よりも大切。その上で、万が一脱走してしまった場合には上記の方法を試してみてください。
ヘビを愛すればこそ、彼らの命を守るためにも、絶対に部屋から逃がさない。そのことを飼育管理者は肝に銘じておく必要があります。

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