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ヘビに咬まれた時の対処

基本的に、”普通に” "健全な環境で" ヘビを飼育している場合には彼らに咬まれるというような場面はほとんどありません。

ヘビはいきなり咬みついてくるようなことはありませんし、防御の際にもまずはさまざまな威嚇行動を行います。
具体的には、ガラガラヘビのように尻尾を振る(これは種を問わず、ヘビが緊張状態や警戒状態にあるときにしばしば見せる行動です)、鼻から空気を噴き出してシュっというような音を立てる、あるいは咬みつかずに口を半開きにして頭を打ち付けるようにするなどです。

ヘビがこうした威嚇行動を取っているにもかかわらず、その上でもなおつかもうとしたりすると、彼らはやむなく咬みついてきます。世界にもいわゆる ”強毒種” と呼ばれるような人体に深刻な害をもたらすような毒素をもつヘビはそれほど多くいるわけではありません。
まして許可を得ずに飼育できる種となれば、いくつかの種を除いては人体への影響はそれほど大きくはありません。
*牙の長い種(ナミヘビの一部やボア、ニシキヘビなど)は、毒とは別に牙による損傷、出血などが大きい場合があります。

ただし、咬まれれば痛みは生じますし、それなりに出血もします。
ヘビに咬まれた場合には、まず彼らのアゴをはずすことが第一です。一度咬まれてしまうと、牙の構造上、ヘビ自身はむしろ牙をはずしたいのに外せなくなっている、という状態もあります。

牙をはずすには、まずヘビの頭を軽く持って(力を入れるとヘビが頭部に損傷を負う可能性があります)、前方に引き出すようにします。ヘビの牙は、ヘビの身体の後方に向けて生えていますので、むり引きはがそうとすると牙が折れたり、肉がさけたりして危険です。
頭を前方に引っ張ることで、牙を “抜く” ことができますので、人、ヘビともに比較的ダメージが少なくて済むケースが多いようです。

無事に牙をはずせたら、とにかくまず第一にすべきは、傷口を水道水で洗うこと。これによってヘビの口内に付着した細菌を洗い落とし、二次的な健康障害を予防することにつながります。
そのうえで、傷口をオキシドールなどで消毒し、ガーゼなどで覆って傷の広がりを防ぎます。

飼育許可の不要なナミヘビではあまりありませんが、一部、樹上生・地中生、あるいは地上徘徊生のヘビでは比較的強い毒素を持っているヘビもいます。飼育種の情報をあらかじめ確認し、このような種に該当する場合には、その時に何も感じなくてものちのち患部が腫れてきたりすることがありますので、できるだけ早く近隣の病院で診察を受けた方が良いでしょう。

なお、野外においてマムシ等の有毒種に咬まれた場合には、とにかく一刻も早く病院に駆け込むことです。
走ると毒素が回りやすい、といった情報がありますが、過去の研究報告ではとにかく早く治療を受けることが、予後の回復に最も効果があることがわかっています。

また、患部の血を口や機器(ポイズンリムーバー)で吸い出したりすることも意味はまったくありません。そのようなことをしているよりも、とにかく一刻も早く診察を受けること。
これを頭に入れておいてください。

 

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