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"吐き戻し" について

比較的問い合わせの多いトラブルに、ヘビの ”吐き戻し” があります。
食べた餌を吐いてしまう。こうしたケースの原因は主に2つで、”餌に問題がある場合” 、そして”ヘビの体調に問題がある場合” です。

このうち、餌に問題がある場合の多くは、特に餌の ”温度” が問題となっているケースがほとんどです。
具体的には冷凍餌の解凍がうまくできてない、ということが考えられます。餌がきちんとヘビに与えられる程度に解凍できているか、ということについては、必ず手のひらで包んでみて確認する必要があります。

もし手のひらから少しでも冷たい刺激が伝わってくるという場合には、ヘビに与えられる状態ではありません。餌の種類を問わず、冷凍餌の解凍確認は必ず手のひらで包んでみる必要があります。

一方、餌が腐敗しているといったような場合には、ほとんどのヘビは食べません。なかには北アメリカに住むヌママムシのように腐敗した魚なども、全く健康を害することなく食べてしまうヘビもいますが、多くのヘビは餌の状態をきちんと把握できますので、傷んでいる場合には食べないことが多いようです。

ヘビが吐き戻しをしてしまうもう一つの原因は、ストレス負荷が過剰、あるいは消化器系に何らかの問題が生じているというケースです。
餌を飲み込んでから間もなく、ヘビに過剰なストレスがかかると、ほとんどのケースでヘビは餌を吐き戻します。餌の消化には多くのエネルギーを要するので、外敵からの逃避との兼ね合いを考えて、逃避を優先した場合には餌の嚥下、消化を諦めてしまうのでしょう。

飼育下では給餌間もなく、静かにしておいてあげるというのが基本です。また、ヘビの様子を見ていると、多くの場合で摂餌後はケージ内の特に温かい場所にとどまっています。そうすることで消化の促進をはかっているのでしょう。これもヘビの本能的な行動だと考えられます。
給餌後は、特に普段より摂氏2-3℃程度は室温ないしはケージ内の温度を高く保つとよいでしょう。

消化器系に健康異常がある場合には、吐き戻した餌に血が混じっていたり、あるいは血便が出たりすることがあります。
このような場合には、ただちに信頼のおける獣医師の診察を受けることが重要です。



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