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ヘビを飼育している部屋でしてはいけないこと

ヘビが好き、という人の割合は世の中でどれくらいでしょうか。
少なく見積もっても半分以上の人は ”ヘビは好きじゃない” と答えるのではないでしょうか。
その理由として多いものの1つが ”ヘビは怖い(咬みつくなどの危害をくわえてきそうで怖い)” ということでしょう。

自然下・飼育下のどちらでもいいのですが、実際にヘビと接してみると彼らは非常に弱い動物であることがわかります。
マンガや神話のように向こうから人に向かってくるようなことはまず考えられませんし、よほど追いつめたりしなければ咬みつくことも稀です。

また、”ヘビ=大蛇” あるいは "毒蛇" というイメージをもたれることが多いようですが、そばにいるだけで人にとって脅威となるような種のヘビは世界にもほとんどいませんし、牙に毒の管や溝をもつヘビも割合としては多くありません。


日本で ”毒ヘビ” として恐れられているマムシ(ニホンマムシGloydius blomhoffii)やハブ(ホンハブProtobothrops flavoviridis)でさえ、多くのケースで人を見れば向こうから逃げてゆきます。
彼らに咬まれる事故の多くは人の方から彼らに近づき、コンタクトをしたことによって起きるものなのです。


このように ”弱い動物” であるヘビが身の危険を感じる、ストレスと感じるということはたくさんありますが、少なくとも彼らを飼育している部屋では絶対にしない方がいいことがいくつかあります。
いずれも彼らの健康に直接的な害を及ぼす可能性があることですので、ご留意いただくとよいでしょう。

1.飼育している部屋で煙草を吸う

私は吸わないのですが、喫煙者から ”煙草がずいぶん高くなった” という話しを頻繁に聞くようになって久しい。そもそも喫煙者自体も、依然と比べるとずいぶん減っているようです。吸える場所も少なくなっていますしね。

"飼育部屋で煙草を吸うなんて信じられない" という声が聞こえてきそうですね。私もそう思います。
しかし以前、知人に連れていかれた ”爬虫類bar” なる居酒屋では、店内が真っ白になるくらいに紫煙が漂っていました。もちろん店内には爬虫類、のほかいろいろな無脊椎動物もいます。
そこへ連れていかれた知人の顔もあるし、露骨に嫌な顔をするのも大人げないと思い平然とやり過ごしましたが、内心呆れたのを覚えています。

煙草は人にも大きな害をもたらしますが、ヘビも害を知っているからか煙や葉(紙巻きたばこの中身)を大変嫌います。イヌやネコでも中毒症状が起こることがあるのですから、身体の小さなヘビに対する害の大きさは推して知るべしというところでしょう。
たとえ電子タバコであっても ”エアロゾル” と呼ばれる煙に有害な物質が含まれていますので、紙巻きか電子かという議論はほぼ無意味なものです。 


ヘビを飼育するのであれば、できれば禁煙をした方がよいでしょう。
ヘビと煙草とどちらを取るか。もし ”煙草" という答えであれば、話しは簡単です。ヘビを飼うことを諦めればよい、ということになるのですから。


2.飼育している部屋で飲酒する

これも驚きの声が上がりそうですね。"ヘビを飼育している部屋でお酒を飲む人がいるのか" と。
しかし、先の爬虫類barしかり、意外にヘビを飼育している部屋でお酒を飲む人がいる、あるいはお酒を飲んだ状態で飼育している部屋に入る人がいるようです。 

お酒を飲むとどうしても声が大きくなります。
”ヘビは外耳がないから音には鈍感だ” と思うかもしれませんが、必ずしもそうと言い切れない場合があります。特に狭い部屋で大きな声で長い時間話しをしていたとすれば、声が壁に反響して起こる震動が彼らのストレスとなる可能性が否定できません。そんなことはない、とはっきり言いきれない以上、"ギャンブル" のようなことはするべきではありません。

また、お酒を飲むと身体の動きも大きくなります。それに伴って、物を落としたりする可能性が高まります。それによっておこる震動はまた、彼らのストレスとなることでしょう。
そもそもの話しとして、ヘビを飼育している部屋でお酒を飲む必然性があるでしょうか。多くの人の答えとしては "NO" だと思います。
先にも書きましたが、ヘビを人に合わせるのではなく、人がヘビの生態に合わせてあげること。それができる人だけが彼らを健全・健康に飼育できるのだと思います。


3.テレビをつけたり音楽などを聞く

音の反響によって起こる彼らのストレスを考えるとこれらも控えた方がよいでしょう。ボリュームを小さくすればいいだろう、打楽器が少ないクラシックなどであればいいだろう。そういう話しではありません。
先の通り、人の嗜好によって少しでもヘビのストレスとなる可能性があることは避けた方がよいと思います。テレビについては、画面から発せられる光の点滅などがヘビのストレスとなる可能性もあります。

4.イヌやネコ、鳥などをヘビの部屋に入れる

イヌやネコ、そして鳥などはヘビを見ると "なんだろう" と緊張状態になることでしょう。最初からヘビに慣れたイヌ、ヘビに慣れた鳥がいるなどということはほとんど考えられません。
一方、ヘビの側から見るとどうでしょうか。おそらく彼らよりもさらに大きなストレスを感じることになるでしょう。
飼育動物お互いのストレスになることを無理にするということは避けるべきでしょう。彼らを会わせることに合理的な意味はありませんし、双方にとって ”知らない方がよかった” ということもあります。

ここまで、ヘビを飼育している部屋で避けた方がよいことを4つ、ご紹介してまいりました。
これらはそれほど高いハードルというわけではないと思います。ヘビが好きであればこそ、彼らの健康・ストレス負荷のリスクとなりうることはできる限り避ける。
これも考えてみれば、ごくごく当たり前のことかもしれませんね。

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