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私の生い立ちの話 ②居候のドイツ人教師

AETという英語教師を雇うJET プログラムと言うのがある。
公式HPによると、「語学指導等を行う外国青年招致事業」だそうだ。
いわゆる英語の時間に現れる、ネイティブかネイティブに近い外国人の先生だ。

D氏は学校で出会う、若干若ハゲが来てるぽいけど見ようによってはイケメンで、ダークブラウンの髪に茶色い瞳で口髭を蓄え、とてもドイツ系🇩🇪ぽい見た目の先生だった。

私が中学生の頃…
学校をサボ…自主休校してベッドで友達から借りたラノベを読んでいたある日
お風呂場の前から現れサッパリした様子のD氏に出くわした。
彼は“Hi……”と戸惑いがちに挨拶して階下に消えていった。

???
父に聞くと、「ああ、2階に住んでるよ」と言う。
日本人の彼女と結婚を決め次年度には帰国する為にアパートを退去したので、それまでうちに居候するのだと言う。
教えておいて欲しかった。驚くじゃないか。

我が家の家族は主に3階に居住していた。
2階には確かにミニキッチンとお手洗いもあるので生活出来なくはない。
お風呂だけは3階にあるので、娘たちが学校に行ってる間の時間と取り決めたらしい。

その後彼は、晩ご飯が鍋の日などに家族の食卓に現れるようになる。

彼は日本語がほとんど分からなかったので、家族中で彼と十分に意思疎通できるのは父のみ。
友達が少ないと本人が言う通り、暇な日の夜は父と二階で話し込んでいたようだ。
おかげで父の英会話力はどんどん向上していった。

D氏はいつも楽しそうに私達家族とごはんを食べ、無言の祖母が出したお茶を飲むと、
ひとしきり私と妹に話しかけて2階に降りて行った。
たぶん3ヶ月くらいは彼はうちに居た。
女の子が大好きで、ピアノが上手かった。

学校で授業の時間に会うとウインク😉を送ってきたり、私ばかり指名するのだけは辞めて欲しかった。

彼が今どうしているかは、知らない。

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