松本大樹のノート

クラシックギター奏者、パリ在住。

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イダ・プレスティの旅路

生徒がある日こう言ったそうです 「自分がイダ・プレスティじゃなくてどれだけ辛いかわかりますか?」するとプレスティは「私がバッハじゃなくてどれだけ辛いかわかる? 笑」と答えたそうです。 私がプレスティに惹かれるのは彼女の底抜けた明るさと優しさ、ユーモア、そしてそれが音楽の中にも存在しているところです。 会ったことはないんですけど。 今日は彼女の生涯から脱線して今度の私のリサイタルのタイトルともなっているDans les pas de Ida Presti 「イダ・プレスティ

    • イダ・プレスティ(1924 -1967) の生涯、時代を超えるプログラム

      前回の続きです、 衝撃的な幼少期の後、イダ・プレスティはパリのショパンホールでのコンサートを経て、着実にその名をヨーロッパに広めていきました。様々な音楽家や評論家から絶賛され、後に偉大な作曲家フランシス・プーランクから曲を贈呈されるまでになります。 ジャンルを越えての交流ではジャンゴ・ラインハルトともすごく親しかったそうでプレスティもすごく即興演奏が得意でジャンゴとよくセッションをしていたそうです。(録音残ってないのかな、、) 今日紹介したいのはそんな彼女が1952年

      • イダ・プレスティ(1924 -1967) の生涯、幼少期とスパルタ教育 

        10歳前後から天才少女と注目され後にヨーロッパのみならず欧米諸国に多大な影響を与えた伝説のギタリスト、イダ・プレスティの42年間の壮絶な人生、 ベルベン社出版の Ida Presti, sa vie son art (イダプレスティの人生と芸術)から、そして私が直接彼女と親しかった方々から聞いた証言などを中心に個人的な私の考えも交えながら紹介したいと思います。 まずはプレスティの幼少期についてです。 と言っても彼女は「幼少期など私にはなかった」と発言していたそうで、 彼女

      イダ・プレスティの旅路