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歌芝居 はじまり はじまり

 NHK朝ドラの「ブギウギ」は、かなり人気があるようですね。
私はテレビなし生活が長いので、朝ドラ以外もテレビ番組を見ることがないのですが、ネットの記事などで朝ドラは掲載頻度が多く、興味深く読んでいます。
笠置シズ子さんの人生ということで、OSKも注目度が高くなっていて、紆余曲折ありつつ存続しているOSK関係者皆様は、きっと喜んでいいらっしゃるだろうなぁ、としみじみしています。

私はOSKとなーんにも関係ございませんが(苦笑)、高校生の頃、宝塚歌劇にハマったことから、私の舞台好き度が急角度に上がりました。
で、その頃から、舞台雑誌をよく読むようになり、その中でOSKを知ることとなりました。昔々、OSKそしてSKD(これは東京の松竹歌劇団)は、宝塚の少女歌劇に対して、ダンスが得意で、どちらかと言えば大人向け、という感じで存在していたようですね。残念ながら、SKDは既に解散されていますが。
ちなみに、OSKは、前の親会社である近鉄電車のあやめ池で活動されていた頃、近鉄の駅で、音楽学校の生徒さんを見かけたこともありましたよ。

私にとって、舞台の上で歌って踊っての世界は素晴らし過ぎて、宝塚好きに始まり、あらゆる分野の舞台に興味が湧きました。全てを観ることは無理でも、雑誌や新聞記事など、やたらと情報収集していた頃もあり、やはり好きなものには一直線。
サウンドオブミュージックのジュリー・アンドリュースも大好きで、NHKで当時放送されていた、アメリカのショー番組も必ず見ていて、心はブロードウェイへ飛んでいました。…フルートはどこに行ったんだ(苦笑)。

そんな中で、これはミュージカルの原点だなぁ、と思えるのが、幼稚園の頃にあった「ドレミファランド」どいうレコード付絵本です。
現在、中古品含めてネットで売られているのを見て、こんなに売られているということは、結構な割合で購入していた人がいた⁈と思われるので、ご存知の方も多いかもしれません。

薄いハードカバー絵本の前半には数曲の歌、後半にお話しがあり、付属のレコードを聴きながら見るのです。
歌も様々で、雨降りくまの子、アイスクリームの歌、ドレミの歌などなど今も歌われている子供向けの曲がありました。
たまに、”ぶたが逃げた、ぶたが逃げた、こぶたが~逃げた~”とドナドナ並の悲しげな歌詞(曲調はなんだか明るい)の歌やら、”トムピリピは二軒、おうちを持っていーる”と歌っておきながら、最後はこの金持ち度が全てウソだけど仲良しになりたい、という歌など、子供向けだから夢いっぱい、という路線ではないのが、かえって面白い選曲でした。

お話の方は、くるみ割り人形、シンデレラ、アリババと40人の盗賊、さるかに合戦、かぐや姫…と世界中のお話を、音楽付きで朗読されていました。
くるみ割り人形は、チャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」の曲に、お話に合うように歌詞がつけられているのです。例えば、トレパークという踊りの曲には、”ボルシチ食べよう! ボルシチ食べよう! ボルシチボルシチロシアのスープ…”てな具合。

私は、中でもシンデレラが好きで、この一冊は、15,6才ぐらいまで家にあったような気がします。挿絵(文もかな?)は安野光雅さん。まさしくミュージカル仕立てでした。
意地悪な姉達が、王子様のパーティーへ出かける準備にこき使われる場面の歌も、
”タンスの中の洋服を~残らず出して持ってきてっ!(シンデレラ台詞;はい!プチット姉さん!)宝石箱の宝石を~みんな並べて見せとくれ~(シンデレラ;はい!ジャボット姉さん!)…”と続いていきます。シンデレラが仙女(魔法使い)の魔法で変身後お城へ向かう歌、王子様と踊る時の歌、どれもこれも大好きでした。この曲を、安野光雅さんの絵を見ながら、頭の中の想像というか妄想?が膨らんでいくのです。

このドレミファランドのシリーズは、絵だけでなく、歌や声の参加の方々が、豪華でした。当時は若手だと思いますが、二期会のオペラ歌手、語りの狂言師、などなど、後から見たらご活躍の方ばかり。子供の想像力を刺激する良質なものに触れていたのだなぁ、と思い出します。
絵と音楽と参加されている全ての方の力が、頭をフル回転して楽しめる作品を生み出していたのかと思うと、尊敬の念しかありません。

絵本などでもそうかと思うのですが、同じものを見聞きしても、想像の内容は人それぞれ。子供の柔軟な脳の間に目一杯想像することは、(大人になって内容を忘れたとしても)その後の人生に活きる枝葉ができていくのでは、と今になると思うことがあります。
現在も、様々な子供向けの同じ類の本などがあるかと思いますが、そういった良いもので、想像力をはためかせてほしいな、と思います。





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