【恋する建築】大阪中央公会堂へ。
大好きな近代建築の一つ。
それは、大阪市北区にある中央公会堂である。
その威風堂々とした佇まいは100年を超えた歴史と、この建築に携わったすべての人の愛情と高い熱量を感じてやまない。
こんな建築物を建てることが、金銭面的にも、創造面的にも、今のこの時代に叶うのだろうか。答えが容易に出せないからこそ、私たち子孫はこういう匠の建造物を大切に守り、後世へとバトンを受け渡していかないといけない。
普段は外から中央公会堂を仰ぎ見る。それだけで心は満たされる。
好きな部分は、もちろんこの外観も含まれているが、私はこの中に大切に受け継がれている美意識を散りばめた貴賓室に心が虜になっている。
天地開闢。
この神話の壮大な瞬間を、貴賓室の天井画として描く心。
天津神と伊弉諾、伊奘冉が日本列島を創造する瞬間。荘厳で美しく、この上なく神秘的な瞬間。それを見事なまでに天井に描き切る。
パリのオペラ座のシャガールだって想像しないだろうに。
商いの中心として建てられた講堂であるが、一見するとつながりを見出しえないような神話との一場面を融合させて、共生させるという類まれない奇抜なセンス。この粋な心には日本人として「お見事!!」と拍手喝采で称えたい。こういう部分がやっぱり想像を超えていて近代建築はすごいのだ。
天地開闢のもと、両サイドには素戔嗚や天太玉主がこの国土を豊かにすべく優しく見守っている様子が描かれている。なんとも優美な瞬間ではなかろうか。
西洋の文化に敬意を払いつつ、日本の美しい調和の精神を見事なまでに洗礼させて融合したこの建築物は、日本が世界に誇ることのできる洗練された文化を持っているということの言葉を超えた証。ありがたき幸せだ。
そして、大阪のシンボル「澪標」のマーク。
この誇りをステンドグラスのデザインとして鳳凰と共に散りばめる心。
遊び心と敬意が融合して、美しいハーモニーを醸し出していて脱帽。
あとは、大理石でできた支柱。
上と下で、石の性質が違うから触った感触や温度感に如実に違いが現れていて感動の体験。手に伝わる石の持っているひんやりとした温度から、人が叡智を合わせて作ったものではあるけれども、その細部は自然のもので出来上がっているのだなと改めて実感する。
この建築を支えてくれているすべての人に、そして私財を投じてこの素晴らしい、人々がいついつまでも集い、圧倒され感動させられる美しい贈り物を世に届けてくれた岩本栄之助さんに感謝を込めて。ありがとう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
Bless you :)
P.S.
最後に、木でできた椅子の温かみとアイデア溢れる佇まいだけ共有。
大阪市ホームページ(中央公会堂について)
中央公会堂のガイドツアーについて
岩本栄之助さんについて
https://www.homes.co.jp/cont/press/reform/reform_00784/
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