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バイオメカニクスってよく聞くけど実際なに?


はじめに


こんにちは。理学療法士の荻原です!
みなさんは、臨床場面や文献上で「バイオメカニクス」って良く聞いたり見たりするけどきちんと理解できていますか?

私も1年目の時はよく分かりませんでした…
ですが、これから解説するバイオメカニクスを学ぶ上で必要となる4つのkey wordを抑えることで、臨床場面での評価や文献・参考書上での理解が深まりました。なので新人さんやまだ理解できていない方に必見です。まずはバイオメカニクスの定義から解説して行きます!



バイオメカニクスとは

生物学的な動作や運動を力学的、物理学的な観点から研究する分野である。具体的には、筋肉や骨格の力学的な特性や運動制御、姿勢・歩行・走行などの身体の動きを分析し、人間や動物における運動能力向上に繋げるための必要不可欠な評価・研究のことです。

いきなりですが、一緒に考えてみましょう!
Q.我々地球上に存在する人間は、歩行などの運動を容易にすることができるが、無重力空間である宇宙ではなぜ歩くことが出来ないのだろうか?

A.簡単に言うと外力(重力と床反力)が無いからです!
→歩行などの「動作」には、筋力による四肢の「運動」が必要だが、宇宙空間では無重力かつ身体が接地していないので、四肢をいくら動かしても歩くこと(前進・後進など)はできません。すなわち、「動作」の遂行には筋力以外のカが必要であり、それがこれから説明する「①質点②重心③外力④関節モーメント」を理解することで動作分析ををする上で必要な要素です。

◎4つのkey word

①質点

質点とは「物体を代表し全質量がそこに集中したと見なせる点」のこと。
ただし、ある点が代表する点として認められるためには、「その点に全質量が集中していると見なしてよい場合」(図1参照)に限ります。

図1 質点

②重心

(Center of Gravity:COG or Center of Mass:COM)
重心とは物体の質量中心を示し、身体各部に作用する重力を1つにまとめた合力の作用点です。
臨床場面では、上半身質量中心と下半身質量中心を定め、その中間に重心を推定することが多いです。しかし上半身と下半身の質量中心は四肢の動きや姿勢によって移動するため注意が必要です。


③外力(重力と床反力)

外力とは、重力床反力のこと。
重力は常に鉛直下向きに作用しており、大きさや方向を自ら変えることはできません。
床反力は床面との接触面から作用します。しかし必ずしも床との接触面が床反力作用点とは限りません。(図2参照)
作用点・大きさ・方向らは姿勢や筋の作用などで変わります。(自ら変えることができる)

図2 床反力の合成

④関節モーメント

モーメントとは、物体を軸回転させようとする力のこと。
関節を回転させようとする力が生み出す外部モーメントと、それに拮抗しようとする筋の収縮や筋膜、靭帯の粘弾性などが生み出す内部モーメントがあるが、一般的に関節モーメントは、内部モーメントを表示していることが多い。

最後に

バイオメカニクスは、評価の一手段なので他評価と照らし合わせることが大切だと思います。また、治療を行う上で評価は大切になるので、様々な患者様を評価し経験を積んで行って欲しいです。
私自身も足りない部分が多くあるので、今回の記事を読んで一緒に臨床場面で活かして行きましょう!

バイオメカニクスで考える理学療法 佐藤 久友 等

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