日詩20240417『時計を合わせる』

夕方見舞いに行った
母の枕元の置き時計の
時刻が15分ほどずれていたので
合わせる
TVがついていて
画面の隅に6時15分と出ていて
それで時刻のずれが分かった
百均の置時計は時々狂う
母が起きる時間か と訊いた
夕方だからしばらくしてから寝るでしょ と答えた
まだ少し早いけど
8時になったら消灯でしょ と言うと
そうだよ と母が答えた
夕ご飯食べたでしょと訊くと
うんそうだゼリー食べた
美味しかった と答えた
夕ご飯食べたんだから朝じゃないね と言うと
ああそうだね とか言って
ようやく会話の辻褄が合ってきた
相部屋にぶら下げてあるカレンダーの事も話した
15分経ったのでそろそろ帰るねと言うと
またね と別れの挨拶をした
エレベータで降りて夜間出入口から出た
後日また 母の時計を合わせに来るだろう
何度も

2024/4/17 大村浩一

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