日詩20240520『冷えびえと』

先日初めて
松下育男さんの「Zoom詩の教室」に参加した
新作を用意したかったが出来なくて
仕方なく旧作を少し手直しして出した
平穏な日々の昼食後に
突然悪魔が冥土から呼びに来る といった詩

松下さんからはこの詩から
いちばんつらいものは自分の死だ と分かる
それで悪魔が出てくるなら
もう少し悪魔と対話するべきだったのでは
といった旨の批評を受けた
悪魔との対話については
この詩にそうした伸びしろがあるとは思わず
なるほどと思ったが

批評後しばらく経って気づいた
もう一つ重大な事は
いまだに一番つらいものは自分の死だと
自分が思っているという事
つまり死を全く克服出来ていない
妻や娘や母の死のほうが
つらいと感じるものだろうのに
自分が死ななければ平気だと
腹の底でまだ思っている という事だ
そんなに惜しむような命か と
詩から突きつけられた自分を
冷えびえと

2024/5/20 大村浩一

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