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認知症の母 17万円の行方 その1

 2019年に母が認知症とわかった時、父の遺産はすべて無くなっており、実家にはカード会社と公共料金の督促上が届いてました。これまでの母とのお金バトルは下記の過去の記事をご覧ください。(リンクが貼ってあります。)
  1. 認知症の母と無くなった財産
  2. 認知症の母の浪費をやめさせるために
  3. 認知症の母の浪費対策 守られない“約束“1
  4. 認知症の母の浪費対策 守られない“約束“2  

 日曜日の夕方に母の銀行口座をインターネットで確認すると、17万円が引き出されていました。ここ半年ほどは、母は私が一緒の時にしかお金を下ろしておらず、月に一度5万円程度を下ろすパターンが定着していました。特別なこと、孫にお祝いを渡し、祝宴をした時でも10万円。17万円ものお金を下ろしたのは、私が口座の状態をチェックするようになってから初めて。一体なんで?!そもそも母が下ろしたのか、知らない誰かが下ろした可能性もあります。

 お金を引き出した銀行の支店は、母がよく買い物をしていたデパートの最寄り駅。2年前にそのデパートで使いもしないバックを購入、返品した過去があります。お金を下ろしたのは、母自身。家電でも購入したのか。何を買ったにしても早く手を打たないと、返品できなくなります。電話をすると…。
私「お母さん、今日どこかにでかけたの?」
母「△△のデパート。」
私「何にしに行ったの?」
母「用事。」
私「用事って何?」
母「…。忘れた。」
 母が出かけたというデパートは別の駅。17万円を銀行で下ろしていると話しても最初は通帳を見て、そんな金額下ろしていないと言い、そこから言うことが一転二転しました。
母「電話切って、調べる。わかったら電話する。」

 10分ほど待ちましたが、電話が無く、こちらから電話しました。
私「お母さん、わかった?」
母「アクセサリーを買ったの。」
私「え??どこでいくらの物を買ったの?」
母「○○デパートで。何を買おうが私の自由でしょ。」
金額は言いませんが、何度注意しても買い物を繰り返していた、1~2年前と同じ口調です。母は貯金がまとまった額に到達した頃から、気が大きくなってました。「私にはお金があるから」と言ったこともありました。私から見れば、葬式をしたらすべて吹き飛ぶ金額です。入院費用や遠方の墓に納骨する費用はありません。危険だな、と警戒はしていました。

私「どこでそれを買ったの?」
母「○○デパートの1階。」
私「○○デパートの1階にはアクセサリー売り場は無いよ。」
母「…1階よ!」
私「レシート持っていない?何売り場か書いてない?」
母「……。レシートに○○デパートのアクセサリーって書いてある。」
私「明日、実家に行くからレシートと商品、そのままにしておいてね。」
母「なんであんたが来るのよ。」
私「出かけもしないのに、高額なアクセサリー必要ないでしょ。そんな余裕ないのよ。お金貯めないとならないのよ。返品します。」
母「私がコツコツ貯めたお金で何をしようと私の勝手。返品はしない。」
私「します!そんな物、いりません。」
母は怒り、電話を切りました。レシートがとってあること、商品があることの確認はとれました。すぐに○○デパートに電話です。

 交換台のスタッフに事情を話したところ、閉店後にアクセサリー売り場のマネージャーより電話をいただきました。①返品には現品とレシートもしくはポイントカード持参、②サイズ直し等をしているor商品に傷等が生じていると返品不可、③セール品やブランドによっては返品不可、④返品には購入した本人の同行が必要、等説明を受けました。
 商品に傷等がつくとまずいので、早速翌日に行くことにし、時間も約束しました。返品の際に母が騒ぎ、店に迷惑をかけるとまずいので、相談用の個室を用意していただくことにしました。丁寧な対応に感謝です。

 マネージャーと話している最中に、何度も自宅の固定電話に母から連絡がありました。母に電話すると「返品はしない。私のお金で欲しい物を買っているんだ。自由だ。」と言います。明日昼に私が実家に行くので、まずは話をしようと伝え、カレンダーに私が実家に行くことをなんとか記入させ、怒る母との電話を終えました。

 認知症の母と喧嘩してもしょうがないことは承知しています。けれども父が真面目に働いて貯めたお金を、認知症になる前から無駄なリフォームと衣類の購入を繰り返し、使い果たしてしまったのが、どうしても許せない自分がいます。
 貯金が無くなってから、母はすぐに「家を売ればいい」と言うようになりました。父が遺してくれた財産で唯一残っている物、絶対に手放さない。私は父が亡くなった時に相続放棄し、父の遺産をすべて母のものとしました。今になっては大変後悔しています。
 ここ4年間、浪費の元凶だったカードを母の友人まで動員し、どうにか解約させ、無駄な買い物を控えさせ、母の生活を年金でまかなえるようにし、ようやくある程度の金額まで貯金ができたところでした。

 母に高額な貴金属を購入する余裕など無いことを、認知症だろうが何だろうが承知してもらわねばなりません。買い物にデパートまで出かけるということは、体調が良く、頭もまわっているということ。返品に納得してもらうため、その日は母を説得する資料を用意してから就寝しました。
次回に続く。)


 

 


 

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