（前回「認知症の母　貼り紙が効かなくなりました…」の続きです。）
　昨年の１２月中旬に実家に行くと母の顔が黄色い…。肝臓、腎臓等で今まで何か指摘されたことはありません。昨年肺気腫がわかったように、別の病気が出現？！足はむくんでないし、見た限りは調子は良さそうです。ううむ…。

　台所を見ると、６日前にスーパーで買ったミカン一袋が無い。１０個くらい入っていたのが１個も見当たりません。ミカンを食べ過ぎて、肌が黄色くなったという話を聞いたことがあります。今の母は食べたい気持ちを抑えられず、食欲が赴くままに食べ物を口にしています。ミカンをドカ食いするのも、あり得ます。翌週の通院まで様子をみることにしました。

　翌週になると母は普通の肌色に戻り、体調も良さそう。主治医と相談し、念のため血液検査を受けましたが、所見は肝臓や腎臓の機能に問題無し。主治医は少し笑いながら「黄色くなったのはミカンが原因みたいですね」。母は主治医が何のことを説明しているのか分かっているのかいないのか、はいはいと調子よく返事をするばかり。私は安心はしたものの、恥ずかしかったですよ、お母さん。

　ここ２～３ヶ月の食に関する母の行動は、小さな子供と同じです。レストランで注文する時は、食べきれない量のセットを「もっと食べる」と注文しようとし、「いつも残しているでしょ。食べきれる量にしなさい。」と注意しても、「食べれる」と言い張ります。

　先日は、夕飯の宅配弁当を電子レンジにかけている最中に、ミカンを食べていました。１～２分の間に、台所でささっと…。柑橘の匂いが漂ってきたので、シンクの三角コーナーを見るとミカンのゴミが捨ててあります。
私「食事がきちんと食べられなくなるから、食前にミカンは食べないで。」
母「ミカンを食べても、食事はちゃんと食べれるから大丈夫。」
私「普通、食事をした後にデザートとして食べるんじゃない？」
母「食べたいから食べたの。」
私「それじゃあ、我慢のできない子どもと同じじゃない。」
母「そうだわね。（むすっとする）」

　一昨日実家に行くと、冷蔵庫には手をつけてない４日前の宅配弁当が一つ、前日の宅配弁当のおかずだけが一つ、ありました。冷凍庫にはジップロックに入った、前週の宅配弁当のご飯のみが１食。
　台所にある空のプラ容器等から推理すると、デイサービスの無い日に昼食に宅配弁当を食べたとしても、その後で近所のコンビニに食べ物を買いに行き、夕飯には買ってきたものを食べるので宅配弁当を丸々残す、ということを繰り返しているのか……。
　宅配弁当は添加物をあまり使用しておらず、届けられたその日のうちの食べなければ廃棄するように、業者から言われています。冷蔵庫に保管し、翌日以降に食べるのはご法度です。
　母は４日前の弁当を私が捨てるのを見て、食べるからそのままにしてと言いますが、「４日前の弁当なのよ。食べたらお腹を壊すでしょう。」と説明し廃棄しました。認知症になってから早々に、食べ物の管理ができなくなり、３日前の握り寿司を食べるから捨てるな、と言っていた人です。いつものやり取り、毎度のことです。

　精神科の主治医に相談すると、食事をきちんとしていても大量に食べ物を購入したり、スーパーで食べ物を万引きしてしまう認知症患者もいるそうです。３食の食事の量を増やしてお腹が空く時間を減らすようにする、食べ物を購入できないようにお金をあまり持たせないようにする、等すすめられました。「認知症の方にはよくあることです。」とも。
　どう対策したらいいのか、とりあえず食べてはいるからヨシとすべきなのかな…。