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スポーツは人格形成に寄与するのか

こんにちは。
今日は少しだけアカデミックな話です!

バレーボール,サッカー,バレーボール,フィギュアスケート など最近では様々なスポーツが盛り上がっていますね。

日々自分たちの限界を突破しようとストイックなトレーニングを乗り越え,試合に臨むアスリートの姿には感銘を受けます。ファンや国民から慕われているようなアスリートは大勢おられます。

「あの選手のように,スポーツを通して周りから愛されるような人間に成長してほしい」。スポーツに打ち込む子どもやアスリートを育てる立場にあるコーチや保護者の方の多くはそう思うのではないでしょうか?

さて,スポーツ教育学というアカデミックな現場においても「スポーツと人格形成」は大きなテーマだと(個人的には)思っています。
ですが,本当にスポーツは人格形成に寄与するのでしょうか?


スポーツ教育の可能性

本日は研究のリサーチの中で見つけて面白いと思ったこの記事をピックアップします。

以下,この記事でまとめられていることは,

① 日本のスポーツの文化
日本では上意下達の風土の中でスポーツが行われ,長いこと欧米の技能に「追いつけ追い越せ」を目指してきたため,「なぜ」を問うことが学ばれなかった。

たしかに,「なぜ体罰はいけないのか」,「どうしてスポーツに人格形成が必要なのか」と問われて根拠を示して明確に答えられる人はどれだけいるでしょうか?
既存のやり方や風土に「なぜ」と問いかけ,より良いスポーツを実現しようとすることは大切だと思います。

②スポーツの本質を理解する

この記事では,スポーツとは「運動を通して競争を楽しむ真剣な遊び」と定義されています。この定義の根拠は書かれていませんが,僕にとってはかなりしっくりくる定義でした。

スポーツは競争に価値を置く文化なので,勝利を目指さなくて良いわけがありません。ですが,「遊び心」と「真剣さ」のバランスが取れないと極端な考え方に傾倒してしまいそうです。

つまり,勝つことが何よりも大事だと考えれて真剣さのみに傾倒すれば勝利至上主義,「楽しければいい。勝利は無意味だ。」と考えて遊びだけに傾倒すれば快楽至上主義に陥ると書かれています。

③スポーツの価値とは

スポーツの価値を勝利or快楽といった一面的に捉えることの危険性が主張されています。勝つことが何よりも大事だとする文化の中では選手にとって身体的・心理的にネガティブなアウトカムを生み出すということは既にいろんな先行研究があります。楽しむことだけに意味を見出すことで,「競技者が勝つために自分自身を磨き,努力する」という大切な学習のプロセスを見失ってしまうことも考えられますね。

真剣さと遊び心のバランスを取ることが人格形成にも重要な影響を与えるかもしれません。

④スポーツと人格形成
素晴らしい人格とは何か??
人によって考え方は違うけれど,ひとつだけ言えることは「スポーツを行う上では人格的に優れていることが要求される,スポーツの場でそれが形成される」ということが書かれています。

エビデンスに基づいた人格形成

この記事では,スポーツとは何か?という本質について定義し,その本質を見失ってしまうことがいかに危険なアウトカムを生み出すかということが整理されていて,自分が研究を行う上でも参考になりました。

「楽しみながら(遊び心),努力(真剣)する」
僕がとあるアスリートから学んだ大切な価値観にも通づるところがあると感じた記事でした。

一方で,どうしたらスポーツが持つ2つの価値のバランスをとりながら競技生活を送ることができるのか,その指導方法や科学的根拠に基づいたトレーニングに関する知見は開発途上にあると考えています。僕も,一人でも多くのアスリートが「楽しみながら努力する」ことができるようになるために,研究成果が出せるといいな,と思います。

長い記事最後まで読んでいただいて,ありがとうございました!

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