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【名盤伝説】 ”The Crusaders / SCRATCH” 時代を越えるフュージョン 伝説のライブ盤。


お気に入りのミュージシャンと作品を紹介しています。Fusion系(当時はクロスオーバーと呼ばれていました)の大御所、The Crusadersの1974年のライブ盤『SCRACH』です。

このアルバムを初めて意識して聴いたのは大学に入学してからのこと。メンバーのJoe Sample(Pf)の超名盤『Rainbow Seeker』(1978年)で彼らのことを知り、アルバム『Street Life』(1979年)のヒットで遡って聴くようになりました。時代はCafé & Barブーム。ラジオから流れるロックとフォークソング(そういえばニュー・ミュージックって呼び名もあった)しか知らなかった18・19の体育会系部活上がりの男子には、お兄さんお姉さん達の音楽として憧れの世界でした。そんな学生時代の私の主な遊び場は東京・吉祥寺。小洒落た雰囲気のお店でコーヒー飲みながらジャズっぽい音楽を聴く・・・完全に自己陶酔の世界です。大学でバンドサークルに入部して、そこに集った先輩・同級生との情報交換で音楽の世界が無限大に拡がります・・・懐かしい思い出です。

アルバムはメンバーのW.Hendrerson作のタイトル曲「Scratch」で始まります。気怠さと哀愁に満ちたタイトなリズムとメロディ、彼らの世界に一気に惹き込まれます。続くビートルズのカバー「Eleanor Rigby」のアレンジの何と大胆なこと。中間部でテンポアップした展開の緊張感も見事。LPのA面はこの2曲で終わります。短いというか長いというか。

そしてB面はブルースの名曲「Hard Times」からCarol Kingの名盤『Tapestry』収録のカバー「So Far Away」への流れも、暗から明への曲調の切り替えに心は陶酔状態です。この曲の最後にはSaxのロングトーンをかましてからのゲスト参加Larry Carltonのギターソロへと繋がり、そのなんと格好良いこと。そして某音楽ライターさんに言わせると「世界で一番格好良いメンバー紹介」からのオリジナル「Way Back Home」で終わります。収録時間約40分ですが、もうお腹一杯です。

彼らの素敵なアルバムが何枚もあるので、追って紹介したいと思っています。あの頃の街並みや仲間と過ごした時間など、多くの思い出が詰まっています。

時代を越える洋楽フュージョンのマストアイテムとして、永く聴き継がれてほしいアルバムです。

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