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“Lee Ritenour / Gentle Thoughts” (1977)

[ FUSION DISC GUIDE ] 新装版発行で差し替えられた幻のアルバム評です。
詳しくはこちらでお話ししています。

収録曲
M1 Captain Caribe
M2 Getaway
M3 Chanson
M4 Meiso = 瞑想
M5 Captain Fingers
M6 Feel Like Makin' Love
M7 Gentle Thoughts

1976年にUSエピックから『First Course』でデビューしたリーが、77年に日本のJVCレーベルとも契約してリリースしたのがこの作品。当時のレコーディング技術で再現できる最高の音質を求めて、演奏された音を直接レコード・ブレス用の原盤に刻み込むダイレクト・カッティングという、まさに神業(というか荒業!)としか思えない方法で制作された。D.グルーシン作で親しみやすいメロディで人気だった曲とE. W. &F.の名曲とのメドレーM1・M2。当時のギター小僧がひれ伏したリーの脅威のリズム・カッティングと中盤の全員による1分近くに及ぶ大ユニゾン大会が聞き物のM5、さらにロバータ・フラック他で有名なM6など、硬軟取り揃えた選曲は実にバラエティ豊か。編集無しの一発録音という緊張感に溢れるサウンドは、日本のクロス・オーバー/フュージョン・シーンにおいて歴史的名盤として評価され、当時はまだなじみの薄かったリーをはじめとするジェントル・ソウツのメンバーたちの国内での人気を不動のものにした。

THE DIG presents DISC GUIDE SERIES 01 FUSION 2000年8月発行 初版P71

[追記] 
このアルバムにはTake2が存在します。確かにフレーズやらソロのタイミングなど、聞きなれたTake1とは異なります。発売元の資料より引用します。タワーレコード限定でまだ在庫はあるようです。興味のある方は是非聞き比べてみてください。

実はジャケットも微妙に違います。

ダイレクト・カッティングのレコーディング方式で制作されたレコードはプレス枚数が30,000枚という限界があった。『Gentle Thoughts』は大ヒットしたため、30,000枚を完売し、ジャケットがまったく同じで帯にTAKE2の文字が入った仕様でひっそりと市場に導入されることになったのがTAKE2誕生の経緯。その後、長年、知る人ぞ知る隠れ名盤になっていたが、2011年に世界初CD化された。

発売元の資料より引用 2023年10月

Take 2 の音源がYouTubeにありました。M1-2 の別テイク。イントロのリチャード・ティーのピアノ・リフから違います。一連のテーマの後のリットのソロも・・盤を見つけて違いをあれこれ探してみてください。


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