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練習。①

真夜中。
カーテンを開けて星を眺める。

僕は最近、夜が怖い。
寝てしまうと朝が来ているから。

明日が来てしまうのが怖くて、
無意味な抵抗をしている。

星の瞬きがチカチカ、キラキラと。
まるで昔、祖父に教えてもらった
モールス信号のよう。

なんて言っているのかな。
ぼーっと眺める。

なんだか妙に惹かれる星が、山の少し上に見える。

チカチカッ….チカッ….

何度か瞬いた。

「オイデ。アス レイジ トウダイニ。」


ん?


目が覚めると朝が来ていた。
いつものように起きて、
朝ごはんを食べて、学校へ行く。

ああ、今日も息苦しい。

ただいつもと違い、
今日は、何だかわくわくする気持ちもある。
でも理由は分からない。

お昼。
給食を食べた後の授業は眠い。
それに今日は、春の風と陽射しが心地よく、
鶯の鳴き声も聞こえてくる。

うとうと。

何か聞こえる。

「オイデ。アス レイジ トウダイニ。」


ハッとした。
なぜこんな大切なことを忘れていたのか。
そんな気持ち。
胸がドキドキする。

ああ、今日は夜が待ち遠しい。


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