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前置胎盤と診断されたら

はじめに

2023年に全前置胎盤で女の子を出産。Twitterを検索すれば出産レポは出てくるものの、自分に参考になる情報だったかというと管理入院の有無や緊急帝王切開の有無、正期産か早産か等、人によりあまりにも違いすぎたという感想。

ただ準備や検査については今振り返ると「こうしておけばよかった」と思うことが多々あるので、私の反省を活かしてもらうためにnoteに記すことにした。

プロフィール

  • 出産時34歳

  • 初産婦

  • 体外受精にて妊娠

    • 2022年8月採卵、10月移植×、11月移植→8wにて流産→不育症検査

    • 今回の妊娠は2023年4月移植

      • XII因子欠乏症によりバイアスピリン服用(~20w)

  • 性器ヘルペス既往のため35w~バラシクロビル服用、産後小児科入院扱い

  • 無痛分娩予約した公立病院(NICUなし)にて35w2d警告出血入院→36w6d予定帝王切開

    • 28w~36w3dまでずっと頭位だったのに最終的に逆子で誕生

前置胎盤、ヘルペス、逆子と帝王切開に愛されすぎた女を自称している。

妊娠中期

産休入りを早める

妊娠中期に前置胎盤と診断されても、そのほとんどは子宮が大きくなるにつれ胎盤が上がっていくらしい。

ただし妊娠後期に入っても上がっていない場合、その後上がる見込みはかなり低くなると言われた。

前置胎盤の平均出産週数は34〜35週。一方で法定の産休は34週からである。34週で出産することになる場合は大抵その前に警告出血していてすでに入院になっているケースが多いように思う。

突然の入院で引き継ぎできないまま産休に入るのを防ぐのはもちろんのこと、お腹が張ることにより出血しやすくなるとも言われているので、早産になる要素を1つでも減らすために早めの産休入りをおすすめする。私は30週から休むことにした。

妊娠後期

陣痛タクシー予約

私は36週6日での予定帝王切開予定で、正期産より前だし陣痛が来たらむしろヤバいので陣痛タクシーは不要だと思っていた。

大間違いだった。

既往帝王切開による帝王切開のようにハイリスクでないならともかく、前置胎盤なら妊娠後期になる前に予約した方がいい。

警告出血はおそらく破水の出血バージョンみたいなものだ(破水は経験していないので「おそらく」にしておく)。外出先でなく家で出血した場合、救急車ではなく自家用車やタクシーで来るように求められる。

私は土曜日の深夜でなかなかタクシーが捕まらず、結果的に出血が止まってからの乗車になったので車内を汚すことはなかったが、このあたり陣痛タクシーの方が早く来てくれるし車内が汚れることも織り込み済みと思うので登録しなかったことを後悔した。

緊急入院バッグ準備

35週に入るところまで一切出血しなかったため、予定帝王切開の前日に入院する気満々で入院バッグを一切用意していなかった。

結果、タクシーが来るまでの間に出血している股にタオルを挟みながら適当にカバンに突っ込むという大パニックに陥った。

今は面会できる病院も多いだろうし、冷静に考えると産まれてから必要なものは後で良いので、妊娠後期に入ったら緊急で入院する時用のバッグだけでも準備しておくことをオススメする。

  • 防水シート(おむつ替えシートやペットシーツ等)
    タクシーや自家用車乗車時に一番下に敷いて汚れ防止。

  • バスタオル
    防水シートとともに移動時の汚れ防止。あとシャワーが許可された時用も含めて最低2枚は欲しい。

  • 前開きパジャマ
    入院したらおそらく24時間点滴となり、点滴を取らないと着替えることができないのでとりあえず1着、あとは入院してから追加でOK。前開きの方が拭く時に楽。病院で借りられるなら不要だが、総合病院の場合(前置胎盤なら総合病院だと思う)は基本マタニティ用ではないので持っていく方が良い。

  • 前開き授乳ブラ
    同上。前開きの方がブラがキツい時にも外しやすいのでおすすめ。ブラトップ系はきつかったり暑くても外す術がないので、前開きがないなら後ろホックのほうがマシ。

  • ショーツ
    これは点滴を取らずとも着替えられるので初日から複数枚あったほうが良い。

  • 生理用ナプキン
    いつ再出血するかおびえる日々なのでナプキン必須。

  • フェイスタオル
    張り止め点滴の副作用で尋常じゃない量の汗をかくので、枕に敷いて取り替えるのをおすすめする。使わなければ手拭きタオルとして使用。

  • 化粧水、歯ブラシ、コップ
    コップは帝王切開後、屈んで手でうがいするのが辛いので持って行った方がいい。病院の洗面台は車椅子にちょうどいい高さなので家よりも屈む必要がある。

  • シャンプー類
    入院後シャワーが許可されたとしても、点滴の針を刺したままシャワーすることになる。正直これがかなり大変なのでリンスインシャンプーがおすすめ。

  • ふりかけ
    妊娠糖尿病でなければ産後の人と同じ食事が出される場合があり、とにかくお米が多い。ふりかけ神。

  • クロックス(玄関に置いておく)
    病院へはスニーカーよりクロックスのようなもので向かった方がスリッパ代わりになって良い。スニーカーで行ってスリッパ持参でも良いけど・・・

配偶者の禁酒期間

一般的に臨月になったらいつ病院に行くかわからないので配偶者は禁酒、というパターンが多いと思う。私もその予定だった。

夫は普段家であまりお酒を飲まないにもかかわらず、警告出血した日は余った缶チューハイを消費するため飲んでおり自家用車が使えない、土曜日の深夜なのでタクシーもすぐ捕まらず困った。

前置胎盤はいつ出血していつ病院に連れていってもらうかわからないので、自身が産休に入るくらいのタイミングから禁酒してもらったほうが良い。

MRI攻略法

前置胎盤はMRIでの診断を経て確定診断となったのだが、妊娠後期のMRIはめちゃくちゃキツい。私は32週3日の時点で最速34週5日しか予約できず、暑いし苦しいし、もうあと数分かかるなら非常用に持たされたボタンを押そうか・・・とギリギリまで迷ったところで終わった。今振り返っても帝王切開よりキツかった。帝王切開はもう1回やることになってもやれる自信があるが、妊娠後期のMRIは本当に無理。

無理だけどやらざるを得ないので、是非下記3点、私の屍を超えていけ……!

  • 開始前に十分に水分補給をしておく
    終わったら飲もうと思っていた私がバカだった。

  • 脱がなくても良いと言われた下着類もできるだけ脱いでおく
    私は11月だったが、それでも暑かったのでヒートテック系は絶対に脱いで!

  • お腹の上のセッティングはギリギリまで苦しくないところでセッティングしてもらう
    撮影との兼ね合いもあるので難しいところだが、少なくとも始まる前にすでに苦しいな・・・と思うセッティングは耐えられないと思うのでできる限り調整を依頼するのが良い。

自己血貯血

前置胎盤は出血が多いことが予想されるので、事前に自己血を貯血することになる。病院の方針によるが、私は400mlを2回貯血する予定だった。

1回目は入院前で無事貯血できたが、2回目は警告出血の影響か、血液検査で貧血と判定されて取れなかった。

帝王切開当日の朝、助産師さんが「先生が昨日、だらよめさんの自己血半分しか取れなかったんだよね〜って不安がってた(←多分誇張入ってる)」という非常にいらない情報(笑)を提供してくれたので、こうならないように入院していない時でも鉄分多め、水分多めに取っておくことをおすすめする。

子宮摘出の覚悟

前置胎盤は帝王切開時に出血が止まらないことがあり、その場合は最悪子宮摘出になると説明があった。

子宮摘出になったらどうしよう……という不安が強かったので、なぜ不安なのか?子宮がなくなると何が困るのか?ということを自分で突き詰めてみた。

年齢も30代半ばだし、凍結胚もあと1個だし、2人目を諦めるのはまだ受け入れられるかもしれない。

ただ、30分半ばで性生活の楽しみを失うとしたらそれは受け入れがたい、と思った。

子宮摘出した方がその後どのように性生活を送っているか探したところ、下記のnoteを見つけることができた。

ここまで赤裸々に書いてもらえるとかなり安心でき、どんな出産レポより私の不安のの支えになった。

警告出血で入院したら

点滴が痛んだら遠慮しない

警告出血で入院した場合、週数にもよると思うが私は産むまで24時間点滴に繋がれていた(術後も24時間ではないもののなかなか点滴から解放されず、最終的に半月以上腕のどこかに点滴のルートがある状態だった)。

産む前の24時間点滴はポンプで流量を調整しているようで、ずっと刺していると痛んでくることがある。差し直しが嫌で我慢しようとするのだが、痛んでいるイコール中で漏れているのにポンプで無理矢理入れている状態になるらしく、さらに痛くなって最終的に腫れてくるので痛くなったら遠慮せずナースコールしたほうがいいと学んだ。

ちなみに一番痛んだ時の点滴のルートの跡は、産後2ヶ月経ってもまだ消えていない。

産後

HCU入院であるといいもの

私の病院では前置胎盤の帝王切開の場合、経過観察のため術後は産科の病室ではなくHCUに1泊することになっていた。

日本語で高度治療室という名前の通り、ICUほど危機迫ってはいないものの、私のいた病院ではICUがなかったため実質トップオブ重症患者の集まった部屋だった。

赤ちゃんが隣にいるわけもなく、聞こえてくるのは他の患者さんの嘔吐する音……

産後の感動に浸れるわけがない。

ten.のめばえに出ている人に、ぜひ私の産後0日目をお見せしたいところだ。バースプラン?は?何それ?

もちろん手厚い経過観察には感謝だが、嘔吐音がガツガツ聞こえてくるのはやはり気分的に滅入るので、(病院から特に制限がなければ)下記3点を持っていくことをおすすめする。

  • モバイルバッテリー

  • ワイヤレスイヤホン

  • アイマスク

産科の病室とは違うからコンセントが刺せる場所があるかわからない一方、スマホ以外できることがない。出血量にもよるが、予定帝王切開自体ははそこまで体力を消費しないので眠くない。そしてHCUは消灯時間があるとはいえ、カーテンの向こうでは看護師さんたちが24時間働いており明るい。そして嘔吐音。全く眠れる要素がない。

私は眠れないので夫に新生児室で我が子が泣いているムービーを送ってもらい、小さい音で再生してなんとか産後の感動に浸ろうとしたが、本音はワイヤレスイヤホンでがっつり再生したかったし、アイマスクして眠れるなら眠るに越したことはないと思った。

ベッドからの楽な立ち上がり方

これは帝王切開民全員に知っていてほしい。現代技術はすべて駆使するに限る。

おわりに

みなさまの無事な出産をお祈りしております!

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