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【目指せ連載】漫画の企画書の作り方

こんにちは!

以前の記事漫画を仕事で描く時には企画書が大事!というお話をしました。
企画書のお話楽しみ!とちらほらお声をいただけて嬉しかったので、今回はいよいよ企画書の作り方のお話をしようと思います。

最初に言っておくとこの企画書のお話、漫画を商業で描きたい人にしか必要ないお話なので趣味で描きたい方はこの記事を読んでも一ミリも意味がありません。ブラウザバック推奨です!

逆にこれから商業で漫画を描いていきたいからどんなことをしているのか知りたい、漫画の企画書って何書いたらいいかわからない・・・。

と言う方には少しお力になれるかもしれない記事です。

ただ、あくまで私のやり方なので読んでみて「ここがいいな〜」と思ったところだけ参考にしていただきたいです!

・企画書とは

まず企画書が漫画を商業で描くにあたってどのタイミングで必要になるのか?というお話から。
漫画が商業誌に掲載されるまでには手順があって

①担当さんとの間で企画書のやりとり

②①で作った企画書を担当さんが編集部の会議に提出

③編集部からGOが出たらキャラデザ・プロット製作

④ネーム作業

⑤作画作業

⑥雑誌掲載

場合によっては企画書と一緒にプロットやキャラデザも会議に出すこともあると思いますが、ざっくり説明するとこんな感じです。

つまり企画書って漫画を描く時に一番最初に必要になるものなんですよ!

ネームも見る前に企画書で掲載するかしないか判断されることになるので、個人的には企画書の内容って結構大事だと思います。

せっかくいいアイディアがあったり素敵なネームが作れるのに企画書で「この漫画おもしろいんだぞ!」って魅力が伝わらなかったらかなりもったいないですよね。。。

では企画書で面白さが伝わるように書くにはどうしたらいいのか?私なりのやり方をご説明します。

・企画書のテンプレ

語るより見せた方が早いので、さっそくですがわたしがいつも担当さんに提出している企画書がこちらです。

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①一言で言うとどんな内容なのか(NOTタイトル)

②ジャンル

③内容(あらすじ)

④ターゲット層

⑤読者に見せたいポイント・楽しんで欲しいポイント

⑥キャラの性格や関係性のアピールポイント

この5つで構成しています。意外にあっさりですよね。

これから一つ一つの項目について、私が考えながら書いていることや、こういうことを書いた方がいいと思うポイントを解説していきます。

・企画書のタイトルは内容を全部説明しろ

①一言で言うとどんな内容なのか(NOTタイトル)

これはつまり

「〇〇が××と▲▲して■■になる話」

というやつです。最近のラノベやSNSの漫画のタイトルって全部これですよね。わかりやすさが大事。

編集さんたちの新連載を決める会議って私たち作家が想像するより遥かに多い企画書が並ぶと思うんです。その企画書をばーーーって並べた時に

「深淵〜彼方からの声と導き〜

ってタイトルと

「時空の彼方から聞こえた声に導かれた勇者が魔王との前世からの戦いに決着をつける話」

ってタイトルの同じ話があったとして、第一印象でどっちを読もうかなって思いますか?

内容がわからない大量の企画書が配られてる状況ならぱっと見で内容わかるやつを読みたくなりません?

あと内容全部言ってあると編集さんの中で「アリ」「ナシ」の判断が早くつきますよね。編集さんは忙しいので会議が一分でも早く終わるならそれも良し。

企画書でつけるタイトルをそのまま連載の時のタイトルにつける必要はないので、とりあえず連載決まってからメチャイケ映えタイトルをつければいいと思います。

②ジャンル

ジャンルは恋愛でもSFでも自分がそう感じて欲しいジャンルを書きます。

・あらすじは1話の面白さを語る

③内容(あらすじ)

③はまんまですが、あらすじです。でも物語の最後までのあらすじを書く必要は全くなくて、第一話のあらすじで十分です。

ようは「この物語これからどうなっちゃうの・・・?!」と思ってもらえるように書きます。

・読者層は最初から把握するべし

④ターゲット層

どんな年齢層の人に読んでもらいたいか?最初から考えて決めて書いた方がいいです。

自分が掲載されたい雑誌や媒体のメインターゲット層と、描きたい漫画のターゲット層が違えば読んでくれる人は減るしコミックスを買ってもらえる率は下がるので、ここを意識できていなければ編集さんからのGOも出にくいんじゃないでしょうか。

あと読者層を自分で意識しながら企画を練ることで、自分自身も「ここの設定ちょっと子供っぽすぎるかな?」とか「この展開は大人向けすぎるかも」など自分の中で物語の軌道修正ポイントを意識しやすくなると思います。

・楽しんで欲しいポイントは箇条書き

⑤読者に見せたいポイント・楽しんで欲しいポイント

④を踏まえて、このお話で読者にどんなことを感じて欲しいのか?どう言う展開を楽しんで欲しいのか?を書きます。

例えばターゲット層が20代女性のご飯系の漫画だとして

【・同世代の主人公が隣の部屋に住む同僚とズボラ飯を楽しく極めていく様子。

・料理のできていく様子を絵でも楽しんで欲しい。

・読者に「わたしも作ってみたい!」と「お腹が空いた」と思って欲しい。

・電車通勤の時間にサクッと読める短さ、手軽さ。】

・・・みたいな感じで。

長文で書くよりもあえて箇条書きで書き出すのがいいと思います。理由はポイントを語りたいのに長文にしてしまうと物語や作文になってしまいがちで、要点がわかりにくくなるからです。

・キャラの魅力もポイントで語る

⑥キャラの性格や関係性のアピールポイント

この物語のメインキャラの性格や、他キャラたちとの関係性のどんなところが面白いのかを書きます。

ここもやっぱりわかりやすさ重視で箇条書きの方がいいと思います。

例えば⑤読者に見せたいポイント・楽しんで欲しいポイントで出した例のキャラを使うとすると

【・世話焼きで好きな人に一途で一生懸命な主人公の健気な姿。

・(栄養不足で)常に気怠げな同僚くんの謎の色気。守ってあげたい感。

・空腹よりもめんどくささが勝ってすぐに倒れる同僚くんと、彼を放っておけない主人公(料理好き)の噛み合わないやりとり。

・ただの同僚から少しずつ恋人に近いものに変化していく二人の関係。】

と言う感じで。

箇条書きにするのはやっぱり要点をはっきりさせるためです。

・記入例とテンプレ

ざっとこんな感じで一通り説明し終わりました。長い!!!短くまとまらなくてすみません!

⑤・⑥でなんとなく例を書いちゃったので、せっかくだから特にこれから描く予定もない漫画の企画書書きました。

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この記事書きながら考えたので全く詰められてませんが記入例として参考になりますように。

少しでもみなさんの役に立ちますように〜!

次回は何書くか考え中ですが、プロットかキャラ作りのお話をしようかなと思ってます。


それでは!

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