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中国語スピーチコンテストの参加レポート【地方大会編】

2021年10月に日中友好協会主催の第39回中国語スピーチコンテスト地方大会(朗読部門 / 一般の部)に出場しました。だいぶ遅くなってしましましたが、参加レポートとして、大会を振り返っていきたいと思います。これから参加を考えている方に、少しでも参考になれば幸いです。

私は神奈川県大会に参加しました。会場のある建物は洗練された造りで、それだけでテンションが上がりました。事前に会場を下見していたので、当日はスムーズに辿り着きました。大会は広い会議室で行われました。

近未来的な建物


会場に着くと、どの参加者も付き添いの方がいて、会場に入るギリギリまで練習している姿が見られました。参加者を見渡す限り、私がおそらく一番の年長者。たくさんの若い子達のエネルギーに早くも圧倒されながら、最前列の片隅の席に腰を下ろしました。コロナ対策で、別室も用意されていて、別室で観覧している参加者もいました。

順番は受付時にくじ引きで決めました。私は朗読部門の最後。参加者は順番にマイクテストを行った後、いよいよ大会スタート。

大会は、終始温かい空気に包まれていました。司会進行の方が、皆さんの緊張を和らげようと気遣っているのが伝わってきました。一人終わるごとに「辛苦了!」「本当に皆さんすばらしいですね」など、この温かい言葉に救われた方も多かったのではないかと思います。
また、高校生の大集団が参加していて、一人発表が終わるごとにお互いの勇姿を称え合っていて、とても微笑ましかったです。(自分にもこんな青春あったよなぁと、つい懐かしい気持ちになった30余歳の秋…)

中高校生の発表に続いて登場したのは、同じく朗読部門の大学生。彼の登場により会場の空気がガラッと変わりました。

彼は全て暗記していて、身振りもさることながら、何かを伝えようとする気持ち、表現力がずば抜けていました。クライマックスにかけて声が大きくハリがあって、まるで演劇を観ているかのよう。私の中国語能力が無さすぎて、内容が理解できずとも、彼自身の物語のような、心に響く朗読。「これがスピーチコンテストぁ!」と、圧巻でした。
他の参加者達も、終わった後、拍手しながら顔を見合わせて素晴らしかったと口を揃えて言っていました。ここまで至るまでにすごく努力を重ねてきただろうことが容易に想像できました。(後に大学生の部で全国最優秀賞を受賞されたと知りました。おめでとうございます!)

そして、いよいよ最後の自分の出番が回ってきました。朗読部門は課題文を見ることができるため、片手に持って最初は見ていましたが、緊張して途中でどこを読んでいるかわからなくなり、見るのを諦めました。暗記しておいて良かったです。無意識でも口から出てくる位練習したので、こういうときに役に立つんだなと思いました。無事に自分の番が終ってホッとしました。

暗唱部門が終わり、スピーチ部門に。高校生の女の子のスピーチが始まりました。自分と学習歴はあまり変わらないはずなのに、質疑応答でテキパキと答えていて、凄すぎました。他の学生達の憧れの先輩って感じで、颯爽と歩く姿もめちゃカッコ良かったです。朗読部門で参加していた同じ学校の高校生達は、彼女がロールモデルになって、一緒に練習していく中できっと良い刺激になっているのだろうなと思いました。

そして、結果発表。

私はまさかの最優秀賞をいただきました。自分の名前が呼ばれると思わず、しばらく信じられないという気持ちでした。

審査員の先生による講評と写真撮影を行い、大会終了。

大会終了後に、審査員のお二人から声をかけていただきました。

一人の審査員の方は「あなたの発表は、今日参加した他の若い子達にも良い影響を与えたと思う。どうやって身につけたとか話す機会があったら良いかもしれないね」というようなお話をしてくださいました。勿体ないお言葉で、嬉しすぎました。
発音に関しては、根気よく支えてくれた方々の存在があってこそなのです。
よければ次の記事もご覧ください。
発音向上のためにやってきたこと(スピーチコンテストを通して)

あと、審査員の方とは、いつから中国語の勉強を始めたのか、仕事で周りに同じような志で中国語に取り組んでいる人がいるのか、中国語学習が仕事にどのように役に立っているのか?など、様々なお話をしました。先生の学校で開講している孔子学院のことも教えていただきました。
私は会話力が全然無くて中国語でコミュニケーションが全然出来ないと嘆いたところ、失敗してでも、たくさん話す経験を積んでいくしかないとアドバイスいただきました。先生と記念写真を撮りました。

もう一人の審査員の方は、発表で私が出来ていなかった発音について、マンツーマンでレッスンをしていただきました。私だけではなく、他の各部門で最優秀賞を受賞した方々も、大会終了後に一通り先生から発音の指導を受けていました。

私は順番が最後だったので、他の方々が帰られた後、先生と私の2人だけで部屋に残って、本気のプライベートレッスンしていただきました。とっても丁寧に教えてくださいました。対面で中国語を教えてもらう機会は初めてだったので、吸収できることは全部聞かせてください!という前のめりな姿勢で臨みました。

私の場合、eが出来ていない、sh→xに聞こえる、zh→jに聞こえる、uo、uaの発音が出来ていない。(出来ていなかったところ多し。というかボロボロ;;)これらは練習のときも、朋友に何回も「出来ていないよ、苦手だからもっと頑張ろうね」と言われていたところ。意識するとその場ではなんとか直るものの、緊張するとボロが出てしまう。
とはいえ、仕事や子育てしながらこのレベルまでできて素晴らしいと仰っていただき、感無量でした。
そんな話をしていたら、会場を借りている時間のリミットが迫っているとのことで、最後は追い出されるような形で会場を後にしました。長居してスミマセンでした。

練習の道のりは大変でしたが、勇気を出して挑戦して本当に良かったと思います。そして、まだ先が見えないほどの鍛錬が必要なこともわかったので、今回の経験を糧にこれからも中国学習頑張っていこう、と心を新たにしました。

以上、地方大会レポートでした。

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続編「全国大会編」はこちら

**以下、感想**

学生は、大学、高校生のほか、中学生も参加していた。参加した若い人達、どの人も本当に素晴らしかった。ここに参加者全てのことは書けなかったけど、どの子も一歩踏み出して行動して、本当に素晴らしいと思った。
社会人になって人前で話す機会がたくさんあってもこんなに緊張するのだから、経験値の少ない学生達はもっと緊張していただろうな、それでも果敢にチャレンジしてすごいなぁ、と勝手に思いを馳せる。

自分が同じ位の歳だったときに、果たして挑戦していたかなぁと思い返すと、とてもじゃないけどそんな度胸はなかった。

もし、挑戦するか迷っている方がこれを読んでいるなら、私は挑戦することを勧める。

実際に自らステージに立つというのは、とてつもなく勇気がいること。逃げ出したくもなる。でも腹を括ってそこに立つと決めた人にしか、見えない世界がある、と私は思う。

上手くなりたいと思って、人前に出て果敢に挑戦しようという気持ち、それが人を成長させる。本番では緊張して言葉が詰まったり、思うように練習の成果が出せないかもしれない。でも、恥ずかしいことでは全くない。ここまで一つのことに全力で向き合ったこと、背伸びして、がむしゃらに自分を信じて頑張った経験は、自分の糧となり、これからの中国語学習、ひいては人生の何らかの場面において、必ず役に立つときがくるのではないかと、そんな気がしてやまない。

私に至っては、今回の他にも中検のスピーチコンテスト(暗唱部門)本番に2回も出ている。賞が取れずとも性懲りも無く。なぜかというと、行動することによって得られるものが、必ずあるから。行動するかしないかの間には雲泥の差があり、せっかくある機会(チャンス)を損失するのは、やはり勿体無いという気がしてしまう。

賞を取れたらもちろん嬉しいけど、別に取れなかったことで失うものはないし、むしろこれがきっかけで自分自身がレベルアップできるのなら、それで十分じゃないかな。

コンテストの順位は人が評価することだから、やってみて納得できないとか、そういうことがもしかして出てくるかもしれない。だから個人的には賞を取ることを目的とするよりも、「経験」に価値、スポットを当てて、その経験を楽しむことがむしろ大切な気がする。
私は様々なスピーチコンテストの参加を通して、大切な友達や、素晴らしい先生に出会い、また人前で発表するという大仕事を経験することで自分の中国語も多少なり上達してきた実感がある。これらを得られたことが何より大きいかな、と思っている。

これを読んだ方が、少しでも挑戦しようという気持ちになってもらえたら嬉しいです。

それでは、ここまで読んでくださって、ありがとうございました。

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