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太陽の行く末、未だ見ぬ地平にて

空が燃え落ちて灰になる頃、
炎の列車が通り過ぎていく草原。
降り掛かる火の粉。
燃え広がって、草花を焼き尽くしていく。

群青の絵の具を垂らした空の下、
明瞭に描かれた濃淡。
形は意味を探して揺れ動いている。
風に煽られ、遠い音が鳴る。

警笛――
墜落した空が、浮遊する海が、ざわめいている声がする。

氾濫――
荒れ狂った波が、街を人を飲み込んで、混沌の渦へと突き落とす。

あたり一面、同じ色。
泣き腫らした目蓋の裏に焼き付いた風景。
突き刺された瞳から流れ出す血は未だに止まらない。
耳をつんざく悲鳴、ふつりと途切れる映像。

砂嵐――

焼け爛れた肌を脱ぎ捨てて、
どこへ行こうか思案する身体。
精神は羽ばたく場所を求めている。
喉から手が出るほど欲している、
唯一無二の存在証明。

一つ、二つと灯っていく光は、
それぞれに異なる輝きを放っている。
回転する天幕に吊り下げられて、
揺れ動くダウジング。
次第に焦点が定まっていく。

水底から引き上げられた、
洗われた意識は一枚のカードを選び取る。
描かれた絵柄は必然性を持ち、
雄弁に運命を語り始める。

回転する炎の輪より生まれ来るもの、
約束の日に降り注ぐもの、
知られざるうちに訪れるもの。
目を覚ましていなければならない。

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