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すこしずつ

ここ最近、毎日遠くに住む母と電話をしている。わたしは話すことがあまり得意ではないし、無理して話すこともないと思って生活しているのだけど、このご時世、元気でいるかな。とお互いの生存確認と、やっぱり家族が恋しくて、声が聞きたくもなり、電話をするに至っている。

最初はぶっきらぼうな会話で、なかなか間合いもうまくいかないし、話題もみつからなかった。それでも何回か繰り返していくと、会話ができていき、呼吸があってくる。いままでは会話に出てこなかった日々の出来事がでてくるようになる。

誰かのことを知りたい時、穏やかな場にしたい時、最初はぎこちなくても一緒の時間を過ごしたり、意味のないことを繰り返すことが、実はとても重要なんだなと思った。言葉じゃないものが先になじんで、安心してコミニュケーションが始まっていく。そんなことの繰り返しが穏やかで安心な場を作っていく秘訣なんじゃないかな。とかなり大人な今になって気がついている。

そして、いろんなことにすぐに答えを探さずに、ゆっくり馴染んで知っていけば、またいいどこかへ行くのだろうと、ぼんやりした梅雨前の空を眺めながら思っている。



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