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お伊勢参り

火の鳥?手塚治虫の?
そんな洒落た名前の列車に乗り、半世紀ぶりに伊勢神宮を訪れた。

私と同世代で小学生時代に大阪在住だった方ならほとんど同じだろうが、
修学旅行で訪れて以来だった。
当時の行程は、伊勢神宮、鳥羽水族館、二見ヶ浦の夫婦岩をめぐる1泊2日。
今考えても、なぜ夫婦岩を小学生が見せられていたのかイマイチ理由がわからない。
そして当然、その頃にはおかげ横丁など存在しなかった。


おはらい町通り
おかげ横丁の豚捨(ミンチカツやコロッケが有名で行列していた)


でっかいまねき猫


地味なスタバ

今回は2泊で名古屋や津などもうろちょろしながらのお伊勢参り。
津に住む友人が案内してくれたので、広い敷地内も迷うことなくつらつらと見て回ることができた。
友人に感謝だ。

観光ガイドなどには、参拝手順も事細かに掲載されているようなのだが、私の場合自分が納得していない作法を周りの人間に倣って行うのが極めて嫌いなので、お手水(おちょうず)や鳥居、お社の前では無礼極まりない態度で、友人の後ろからついて回るといったお参り。
私のようなのを一般的には天邪鬼とも言うらしい。

友人には何度も、
「拝まんのか〜い!」と、突っ込まれた。

何宮か見てなかった…(・_・;


社はほぼ見えてないが、ここは別宮多賀宮だと立札に書いてある

通常、外宮、内宮の順に参詣するらしいが、三重県在住の友達は別宮という場所も案内してくれた。
全部で125のお社があるそうだ。
中でも友人が言うように、別宮と呼ばれるお社は参詣客もまばらで、余り知られていないようだった。

この別宮がどれくらい珍しく知らない人が多いかは、この文章をパソコンで打っていてもわかる。
「げくう」と打てば外宮と即座に変換してくれるし、「ないくう」と打てば内宮と変換してくれるが、「べつくう」と入力してどれだけスペースキーを叩いても別宮とは変換してくれない。
それほど、別宮は知る人ぞ知るマニアックな場所?なのだろう。(どれほど?)


立札があるのだが、小さくてお社の名前は読めない

二拝二拍手一拝がここでの参詣の作法らしい。
私は多くの参詣者の観察の方に興味があって、何もせず周りを眺めていたのだが、割とそれぞれにオリジナリティ溢れる参詣をしていた。
ちなみに、出雲大社ではまた作法が違うらしい。

澄んだ空気の中、静寂な木々に囲まれると、喧騒に紛れて生きている普段とのギャップに、ちょっと神聖な気分になったような気がした。
多分、巷で言われているパワースポットというのはこういう場所を総括していうのだろう。
あくまでも、人それぞれの心中のものなので、どう受け取るかは個人の勝手だが・・・。

ただ、友達が教えてくれた話には興味深い内容が含まれていた。
例えば、鳥居に向かう玉砂利が敷かれた道にも、その真下を通るラインと外側を通るラインが分かるように印が引かれていて、鳥居の真下とそこに至るラインは神様の通り道なので、参詣者は外側を歩く。(らしい)
みんな鳥居の前で一礼して通り抜けていくことが多いようだが、厳密に言うと鳥居の下は本来神様以外は通ってはならない。(らしい)


鳥居の外側(奥に見えているロープの向こう側が次の引越し先)

他にも遷宮といって、お社は20年に一度引越しをするそうで、隣に引越し用の敷地が予め用意されている。
そして、今あるお社の木材は自然災害に見舞われた各地の神社や鳥居に再利用されるとのことだった。
神様は国つくりの時代から、SDGSを実践していたようだ。

せっかくのお伊勢参りも私が書くと、ありがたみを感じないものになってしまうが、なんとなく清々しい気持ちになるし平日は参詣客が少ないのでおすすめだ。

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