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シューマンレポート「ミルテとバラで」

コンサートに向けて少しずつシューマンの音楽についての所感や分析をnoteにまとめていきます。
隙間時間に少しずつ文章を加えていく予定です。

コンサートで歌う一曲目は
会うことも阻まれたクララとの結婚をめぐる、彼女の父親でもありピアノの師でもあったヴィークとの裁判も終わりに近づいた1840年に作曲された歌曲集≪リーダークライス≫作品24の終曲「ミルテとバラで」です。

ハイネの「歌の本」の詩による9曲の歌曲集です。

クララを思って「笑ったり泣いたりしながら」夢中で作曲したというその曲集の最後に相応しい曲想です。

「かれんで優しいミルテやバラや糸杉や金箔で、死人の叫びのようなこの本を飾り、そこに自分の歌を葬りたい。
かつて深い感激から出た歌もいまは死人と同様だ。しかし、ひとたび愛の霊がその上を漂えば、その古い血潮はよみがえる。はるかの国にいる恋人よ。そうなれば、蒼白い歌う文字は、哀愁と愛の息吹きでおまえにささやくのだ。」

音楽之友社「作曲家別名曲解説ライブラリー」

アシュケナージのピアノパートはいつも歌に優しく寄り添っていて大好きです。

ここからは少しずつ自分なりの分析をしていきます。
前奏をみてみます。

赤い丸の所をシンプルな和音で弾くと

次に楽譜通り弾いてみます

半音ずつ上がる3連符を用いることで、次の和音へ登るように繋がっています。
気持ちの高まりを感じます。

追記3/31

気持ちの高まりとともに駆け上がっていくような前奏に誘われるかのように、歌もほぼ同じ道を通って駆け上がっていきます。


シューマンの歌曲は、歌曲の作曲に集中するまでは、ピアノ曲を集中して作曲していたため、その成果もあって伴奏部分のピアノもかなり充実した内容なので、歌曲と言いながらも歌とピアノのための音楽といえると思います。

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