見出し画像

バレエ感想⑬牧阿佐美バレヱ団「三銃士」

モスクワバレエコンクールで金賞を受賞し、話題になった大川航矢さんが入団したと聞いてからずっと牧阿佐美バレヱ団の公演を見に行きたかったのですが、とにかく都合が合わず、やっと行くことが出来ました!大川さんを見るのはバレエアステラス以来なのでとても楽しみにしていました。

会場となった新国立劇場の中劇場に入るのは初めてでしたが、舞台との距離がオペラパレスとは比べ物にならないくらい近く、始まる前から大興奮。臨場感がすごいです。

幕が開いてまず驚いたのが、セットや衣装が豪華でとてもキレイ!最近は経費削減のためか、シンプルな舞台装置が多いので、異世界の素敵な空間にテンション上がります。衣装もキラキラしていて、やっぱり綺麗なものを見ると気持ちも高揚します。三銃士が登場する前に、主役のダルタニヤンが出てくるのですが、水井駿介さん、とても若々しくて、ジャンプがキレイ!こんな上手なダンサーが牧バレエにいたとはビックリです。どの動きもクリーンで、とても素敵でした。

そして場面が変わり、三銃士が出てくるのですが、目当ての大川さんはお髭をはやしているので以前見た時とは別人のようなワイルドな見た目になっていました。以前見たアクテオンよりもワイルドだったかも!動き出すとイキイキしており、体全体から踊れる喜びと楽しさが滲み出ていました。バリエーションからジャンプが高く、軽やかで重力を感じさせませんでしたし、マイムも分かりやすく、とっても世話好きなお母さん感溢れるポルトスでしたw
三銃士は剣士の物語なので、戦いのシーンも沢山あります。剣持ってるだけでも、怪我が心配だと思うのですが、大川さんは決闘のシーンでも凄かったです。どのダンサーを見ても普通は剣の扱いに苦戦し、接触を避けるために最大限の注意を払っって動かしているのが伝わってきますが、大川さんはそんな気遣いを微塵も感じさせないくらい剣を自由自在に扱い、自分の体の一部として動かしているようでした。戦いのシーンでもイキイキと楽しそうで、剣を持っていることを忘れさせるくらい全てが軽やかで、凄かったです。
大川さんだけでなく、水井さんも剣の扱いが上手く、この2人は小道具の扱いに苦労している様子が全く見られず、本当にイキイキしていました。

ダルタニヤンが三銃士に合流した後、4人で踊るシーンがあるのですが、大川さんと水井さんは動きがとにかく揃っていて、のびのびとしていて、突出していました。とにかく、動きに無駄がなく、全身で舞台を楽しんでいる様子が伝わってきて、とても良かったです。

他にも個人的に素敵だなと思ったのが、ミレディーの青山季可さん。私の中の青山さんの印象は10年以上前にバレエ雑誌で見かけたリーズのような可憐なイメージでしたが、なんという色っぽさと悪女っぷり!イメージがガラリと変わりました。豪華絢爛な衣装を着こなし、存在感がすごく、堂々たるプリンシパルでした!

今回は主演キャストだけでなく、脇役やコールドが以前見た時よりもだいぶレベルアップした印象を受けました。足が長くて綺麗な女性が増え、男性も生命力溢れるダンサーが沢山いました。戦いのシーンでは思いっきり戦うだけでなく、それぞれのマイムが人によってアレンジされており、本当に楽しかったです。個人的にはポルトスに何度もやられてしまう、お兄さんがとても印象に残りました。

三銃士は20年くらい前ににダンスマガジンで見ていたので、存在は知っていたのですが、全幕通して生で見るのは初めてです。当時は小嶋直也さんや森田健太郎さんが出演されていた気がします。
バレエ雑誌で見て以来、いつか見たいなと思っていたので大川さんというスーパースターの出演される回を見れて本当に良かったです!三銃士達やミレディー達のポーズを見て、「あぁ昔雑誌で見たのと同じ衣装だ!こんな写真見たなあ!」と懐かしい思い出に浸りながら舞台を楽しみました。衣装はキラキラしていて、写真で見るよりずっと綺麗でした。

牧阿佐美バレヱ団はゲストが豪華で、今までにもボリショイのスヴェトラーナ・ルンキナ、ルスラン・スクヴォルツォフ、パリオペラ座のステファン・ビュリオンなど、素晴らしいゲスト目当てに公演に足を運んだことは何度もあります。
今回はゲストは無しで大川航矢さん目当てにチケットを買いましたが、大川さんも水井さんも、とても良かった!大川さんと水井さんはとにかく軽やかでレベルが突出していました。2人だけゲストダンサー並みに異次元で驚きましたし、大川さんと水井さんが出る舞台はこれからもずっと見に行きたいと思いました。

三銃士は迫力満点のダンスだけでなく、素敵なセットや衣装、そしてストーリーも分かりやすいので、もっと上演回数が増えてほしいと思います。ストーリーが明確で原作もある作品であり、子供も楽しめる作品と感じました。新国立バレエがやってるような、「子供のための名作劇場」みたいな感じで上演したらもっと幅広い世代に受け入れられそうな気がするなぁと思います。次の上演の際、プロモーションの一案としていかがでしょうか😁 楽しい舞台だっただけに、もっとプロモーション上手くやれば良いのにと感じました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?