朝ごはんは京都滞在の愉しみのひとつである。京都には朝から営業している飲食店が割と多いので、さすがに毎日というわけではないが、時間に余裕がある時は、そういうところで朝ごはんを食べてから仕事に向かうこともある。普段の朝ごはんは適当に済ませがちなのに、京都に来ると、何故かちゃんとした朝ごはんを食べたくなる。まぁ、京都に限らず旅先での朝ごはんは愉しみではあるのだが。

京都は喫茶店文化の街でもあるから、そういうところでモーニングを食べるのも良いし、京都らしく朝からしっかりとおばんざいを戴けるお店もある。今回朝ごはんを戴いたのは四条烏丸の交差点からほど近くで朝だけ営業している「朝うどん」さんである。名前の通り、朝だけのうどん屋さんである。何故朝だけの営業かというと、実はこちらのお店、ボロネーゼ専門店「Bigoli」さんの店舗を朝だけ間借りして営業されているとのこと。という訳でホテルをちょっと早めにチェックアウトして８時半頃お店にやって来た。イタリアンのお店だが、いかにも京都らしい和建築とおおきな「うどん」ののれんがかかっているおかげで、元々うどん屋なのではないか、と錯覚してしまいそうになる。

のれんをくぐって店に入ると、店内はほぼ満員と朝の8時半だというのに大盛況。そして見たところ七割方が海外からの観光客の様子。自分の事は棚に上げ、皆ネット等を駆使して色々調べて愉しんでいるなぁ、と感心することしきり。

こちらのうどんは、いわゆる京うどんを戴けるようで、僕も店に入るまでは九条ネギとかすうどんを戴こうと思っていたのだが、メニューにカレーうどんもあったので、ついカレー好きの血が騒いでしまい、オーダーしたのは「九条ねぎかすカレーうどん」。お金を払い、席を確保して待つことしばし、うどんが出来上がったのでそれを受け取り席に。

うどんはしっかりとボリュームがあり、朝からお腹一杯になる事間違いなし。さっそくお出しをひと口すすってみる。しっかり出汁の効いた美味しいスープ。カレーもぴりっと辛さが引き立ちバランスよく美味しい。そして麺は柔らかくふわふわでほっとする感じ。そして九条ネギとかすは絶対的に京うどんである事を証明してくる。正直、これだけ美味しいのに朝だけの間借り営業というのは勿体ないと感じた。

ちなみに、お店に伺う前は、立ち食いうどん屋のような感じでささっと食べるようなスタイルを想像していたのだが、ボリュームもしっかりあり、味も本格的なのでしっかりと腰を据えて戴くことになった。だから食べ進めるにつれ満足感も高まり、朝からエネルギー注入成功となった。

今回、勢いでカレーうどんを戴いた。これはこれで大変美味しく、朝からお腹の底までぽかぽかになったのだが、次回伺った時は、普通の出汁で戴くともっと京都らしい「朝うどん」を感じられるように思った。

冬、そしてちょっと肌寒い朝に熱々の京うどんを戴いてから街に出るのも愉しい、そんな事を考えながら仕事へと向かった。