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言語種と韻律/駄洒落とグルーヴ感

 オヤジギャグというワードほとんど聞かなくなった気がするが、歴史的に平安時代からの伝統を受け継いでおり、同時代的にはラップのリリックなんかにも通じる韻踏みというか語呂合わせというか、早い話駄洒落とグルーヴ感の話です。
 テンポ良く駄洒落を連発すればラップのリリックになる。は、ちょっと乱暴に過ぎるんだろうけど、韻を踏んでいく感じ、Generation, Sensation,なんたらかんたらFascinationみたいなやつ。fascinationでリズム的にシンコペーションしたりとか。
 実はこれ、語尾の音圧がスーッとナチュラルに打楽器的に減衰していく言語だから可能なのであり。これに対して日本語は、発話される音声のエンベロープ(註1)に着目すると、最後(ADSRのR)まで音が減衰しない。楽器で言うなら弦楽器(つま弾くやつじゃなく、弓で擦るやつ)みたいに。従って、英語のリリックと同じように単純に語尾の韻踏みをやっただけでは、同様のグルーブ感は得られない。
 そこを開き直って「動物園,後楽園,失楽園,伊藤園,永谷園(註2)」とかやっちゃった人らがいて私もむっちゃ笑ったんですが、現在の興味は、それとは違うやり方のグルーヴの方を向いている。

註1:エンベロープ
音の立ち上がりから減衰して消えるまで_Attackアタック、Decayディケイ、Sustainサスティーン、Releaseリリース_の変化を調整することは、シンセサイザーの登場以降特に変わったことでもなくなったが、それ以前は、エンベロープモディファイアなどという単体の「エフェクター」も市販されていたようだ。

註2:動物園,後楽園,失楽園,伊藤園,永谷園
水曜日のカンパネラ『千利休』


 

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