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[さきたま古墳公園訪問記 Part.2] 菜の花に覆われた古墳と猫の神社 【埼玉県行田市】

2022年3月30日(水)前回記事の続きです。

前回記事では「さきたま古墳公園」の丸墓山古墳と稲荷山古墳について書きました。

さきたま古墳公園

さきたま史跡の博物館

今回の記事は「さきたま史跡の博物館」からです。

埼玉県名発祥之碑

博物館前にあった碑。

埼玉県名の由来
明治4年11月14日、現在の県域に「埼玉県」と「入間県」を設置するとの太政官布告が出された。これが埼玉県の誕生である。以後、幾度かの変遷を経て、明治9年8月に現在の埼玉県の区域が定まった。「埼玉」が県の名称とされたのは、当初の県の管轄区域の中で、最も広いのが埼玉郡であったことによる。
埼玉郡は、律令による国郡制度が発足した当初から設置された郡とみられ、当初は前玉(さきたま)郡という表示も行われ、正倉院文書神亀3年(726年)の山背(やましろ)国戸籍帳には「武蔵国前玉郡」の表記が見える。また、延喜式神名帳にも埼玉郡の項に「前玉神社ニ座」とある。
ここ行田市埼玉(さきたま)の地は、巨大古墳群の所在地であり、また「前玉神社」の鎮座する場所でもある。おそらく埼玉郡の中心地であったと考えられるので、ここに碑を建て県名発祥の記念とする。

昭和62年4月
埼玉県
博物館 外観
入館案内

入場料は大人200円となります。博物館のチケットで、同じ園内にある「将軍山古墳展示館」も見ることができます。※将軍山古墳展示館については後述します。

関東の古墳MAP
関東の古墳MAP 拡大

こうして見るとあちこちに古墳はありますね。しかし、ここ「さきたま古墳公園」のような古墳群となると限られてきます。

博物館は大きく二つのゾーンに分かれており、一つが「国宝展示室」、もう一つが「企画展示室」となります。

国宝展示室
国宝展示室

国宝展示室では1968年(昭和43年)に稲荷山古墳から出土した国宝「金錯銘鉄剣(きんさくめいてっけん)」が、その他の出土品とともに展示されています。

そして企画展示室では「新屋敷遺跡」の特集が組まれていました。

企画展示室

新屋敷遺跡は、大宮台地の北部に位置し、さきたま古墳群から南西7キロの位置にあります。旧石器時代から江戸時代にかけて多岐にわたる時代の遺構と遺物が検出されており、なかでも古墳は100基近くが検出され、元荒川流域では最大の古墳群として注目されています。今回の展示では、新屋敷遺跡から発掘された各時代の資料や埴輪工人などが展示されていました。

旧遠藤家住宅

古墳とは全く関係ありませんが、博物館の向かいに移築民家として旧遠藤家住宅というものがありましたので、ついでに見ておきました。

元々は幸手市にあった江戸時代の稲作農家のようです。

旧遠藤家住宅
旧遠藤家住宅
間取り図

面積は約67坪あります。かなり大きな古民家ですね。この移築民家は宝くじの普及宣伝事業として整備されたものになります。

ダイドコロ
ダイドコロ
ダイドコロ

上の写真は間取り図上でダイドコロと書かれた土間部分です。民家の半分近くのスペースを占めています。

フロバ

ダイドコロに隣接してフロバがありました。ちゃんと家にお風呂場があったんですね。

ふと上を見上げると、屋根にはダイドコロやフロバの煙を排出するための高窓がありました。普通に雨漏りしそう。。多少雨漏りしても土間だからそれほど気にならないんですかね。

夏は涼しそうですが、逆に冬はめっちゃ寒そうです。今の住宅のような気密性が無いことから相当スキマ風が入っていただろうと推測します。

ウマヤ

将軍山古墳展示館

前述の通り、博物館のチケットで将軍山古墳展示館に入ることができるので、将軍山古墳へと向かいました。同じ園内なので歩いてもいけますが、少し距離があるので車で移動しました。

駐車場を出て左折、二子山古墳の角あたりでまた左折すると将軍山古墳へと車で行くことができます。将軍山古墳の近くにも隠れ駐車場があるので(上の写真の青文字でPと書いたあたり)そこに停めれば将軍山古墳展示館はすぐです。

将軍山古墳周辺は菜の花が咲いていて綺麗です。

将軍山古墳展示館

将軍山古墳展示館では横穴式石室の内部を見学することができます。

展示館は2フロア構成になっていますが、古墳の中に作られた展示館ということもあり、広くはありません。あっという間に見終えてしまいました。

博物館のチケットがあればそのまま入れますが、無い場合は200円かかります。それだとさすがに高い気がするので、博物館を見てから訪れた方が良いでしょう。(もしかしたら将軍山古墳展示館のチケットで博物館に入れるのかも知れませんが…)

さきたま古墳公園 DATA

  • 所在地:埼玉県行田市埼玉4834(公園内の「さきたま史跡の博物館」所在地)

  • 施設概要:古墳群9基、さきたま史跡の博物館、将軍山古墳展示館、移築民家、休憩舎、芝生広場他、駐車場(普通車295台、障がい車用8台、大型車33台)他

  • 電車でのアクセス:JR高崎線「北鴻巣駅」からさきたま緑道で徒歩4.5km(約60分)

  • バスでのアクセス:JR吹上駅から朝日バス佐間経由行田車庫行「産業道路」下車徒歩15分、JR行田駅又は秩父鉄道行田市駅から市内循環バス「さきたま古墳公園前」下車徒歩2分

  • 車でのアクセス:東北自動車道羽生ICから北西へ約12km


前玉神社

さきたま古墳公園を堪能したあと、車で数分程度の距離にある前玉神社(さきたまじんじゃ)に行ってきました。

ここでも桜を楽しむことが出来ました。

こちらの神社は高さ8.7m、周囲92mほどの浅間塚と呼ばれる古墳上に建てられています。ご祭神は前玉彦命・前玉姫命の二柱であり、人の身を守り、幸福をもたらす神様と呼ばれています。

女神と男神が一緒に祀られていることから、恋愛成就や夫婦円満を祈願する参拝者の方が多く見られ、縁結びの神様として参拝に来られる方も増えてきているそうです。

手水舎
ズーーーム。こんなところにも埴輪が😲

古墳の上に作られているだけあり、高台に本殿があります。

本殿

前玉神社は延喜式(927年)に載る古社で、700年代の古代において当神社よりつけられた「前玉郡」は後に「埼玉郡」へと漢字が変化し、現在の埼玉県へとつながりました。そのため、前玉神社は埼玉県名の発祥となった神社であると言われる由緒ある神社です。

そしてこの神社は境内に4匹の猫が暮らしているため、猫の神社としても有名です。

御守り等を販売している授与所では「猫おみくじ」が販売されていました。

きなこ、さくら、ガガ、ミントの4匹がいるみたいです。どこにいるのかな〜とキョロキョロ見渡したところ…

いました!

猫おみくじの真裏に一匹座っています。どうやらさくらのようです。

他の3匹は見当たりませんが、付近をパトロールしているのか、授与所の中でゴロついているのか。。

さきたま古墳公園のついでに立ち寄っただけの神社でしたが、桜の見事さ、程よく広い境内。可愛い猫ちゃんと、なかなか満足度の高い神社でした。

前玉神社 DATA

  • 所在地:埼玉県行田市大字埼玉字宮前5450

  • TEL:048-559-0464

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