私が最近意識している言葉がある。

どこで見かけた言葉か忘れてしまったけれど
とても印象に残っている。

何故印象に残ったか。

母から言われた
「育て方を間違えた。失敗した」
これが大きな要因を占めているように思う。

私は早い段階から
間違えた・失敗した＝比較対象がある
→母にとっての正解があった
と理解していた。

だから
『母にとっての理想になれなかっただけ』
と思い
自分を『失敗作』と捉えていたわけではない。

だけど
『失敗』に敏感に反応したということは
やっぱりどこかで引っかかってはいたんだろう。

そう。
多分、抜けない棘のように刺さっていた。
気付かないほど微かに。
ずっとずっと。

気付いたら痛くなるから。
だから気付かないフリをしていたかもしれない。

『人生に失敗はない。あるのは経験だけ。』
このフレーズを見て私はほっとした。

そう、ホッとしたんだ。

母にとっては失敗作だったかもしれない。
だけど私は失敗で出来上がった存在ではない。

それを証明する言葉として。

育て方を間違えたと言われたのは
思春期に差し掛かった頃と記憶していたけれど
こうして書きながら過去を振り返ってみると
もっと小さな頃から言われていたようだ。

『育て方を間違えた』と言われないように
母にとっての正解を選択するように
小さい頃から意識していたように思う。

だからだろうか。
私は幼い頃から
『間違い・失敗』をひどく恐れていた。

間違う・失敗することは
自分の命をも脅かすかのような
そんなふうな脅威に感じていた。

それはそうか。
幼い子どもにとって母親の愛を失うことは
生命の危機に直結するのだから…。

けれど
『人生に失敗はない。あるのは経験だけ。』
この言葉に出会って
「失敗はない」ということを知って
安心を覚えたみたい。

失敗=負債、暗く重いもの
経験=価値、糧になるもの

捉え方が変わるだけで
こんなにも変わるんだね。

だからね
こわごわと一歩を踏み出すときは
いつも自分に教えてあげてるんだ。

『人生に失敗はないよ。
　あるのは経験だけだよ。
　全部あなたの糧になるもの。
　だから思いっ切りやっておいで』
って。

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