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私の相棒

私の犬は、いわゆる保護犬です。

彼女と初めて会った時、彼女は3歳でした。きれいなゴールデンレトリバーで、健康面でも性格面でも問題なし。いったい何が原因で捨てられたのかといえば、どうも留守の間に部屋をめちゃくちゃにするなど、扱いきれないことが原因だったようです。が、6歳でうちにきてから、留守中に部屋をむちゃくちゃにされたことは一度もありません。単なる管理の問題…かじってほしくないものを床に置かないとか…だったんだと思います。

すごくいい子なんですよ。出会った当初は甘噛みもひどくて、よく腕に青タンこさえました。そのつもりじゃなくても、彼女が腕をくわえて動くと、人間の脆弱な腕は血は出ませんが青タンくらいにはなっちゃう。でも、叱ったことありません。甘噛みは本噛みじゃないので、そんなたいした問題じゃないし。レトリバーは咥えるの好きだし。そしたら勝手に、犬の方が調整して、今はほとんど甘噛みしません。たぶん、私が少々痛がっていることに気が付いて勝手に直したんですよ。偉い。偉すぎる。なんも言ってないのに、ちゃんと相手の気持ちを考えて、自分のしたいことを一部がまんする。

この子、ハードマウス(おやつなどを人の手からもらうとき、指などに歯をあててしまう癖のこと。なお、この性質は遺伝するようで、やらないやつは最初からやりません。しつけで直すことは可能ですが、しつけの最中しばし痛いです)も、ひとりで勝手に直しました。偉い。偉すぎる。大好きなおやつを食べる時も、人間の気持ちをちゃんと考えている。偉すぎる。天才か。天才なのか。

こんなにやさしい犬なのに、なんでまた捨てられちゃったんだろうねえ、とは思いますが、前の飼主が犬を見る目がなかったせいで、私がこんなかわいい犬と暮らせているので結果オーライです、私にとっては。しつけも一部やり直したんですが、そんな難しくなかったですし。なんせ自分から私の気持ちを考えて直したりするし。何も言わなくても入ってはいけないところには入らないとか、非常に賢い。観察力が鋭いんです、うちの子。私がどう思っているのか、的確に判断しよる。人間でもなかなかやれないです。賢い。

そもそも、私を飼主に選んだのは犬のほうです。彼女に限らず犬というものは、だれが一番自分の事を考えてくれているか、誰が一番頼りになるのか、ちゃんと知ってます。保護施設の中の人のひとりであった私のことを彼女が選んだ結果、”ふれあい”や”しつけ方教室”のモデル犬として(なにしろ出来がよく見栄えがよくて若いから。親ばかですが)保護施設に留め置かれていた彼女は、”ふれあい”にはむかない犬になってしまいました。私がいると、他の人にまったく関心を示さない。こっちばかり見ているんです。子供たちの前で、『おまえらに関心ない』って態度をされるのは少し困りましたね。余談ですが、犬が、怖いとか不安に思っていることを察知して庇うと、すごく懐きます。撫で方の乱暴な人を注意したり、大柄な人との間に入ったりすると、ピンチを助けたことで加点があります。

運命の犬は保護施設でお世話してみて決めるっつうか犬に決められるのがいいよと思います。犬に大勢の中から選ばれるって、いいですよ。犬ですから人間相手のようなごまかしがききません。ごまかしがきかない相手に『おまえが最高!』って言われるの、非常にいいです。

いい犬なので、中の人である私が飼っちゃっていいものかな、誰でも飼える犬だし、これもらうのチートでは?とは思いましたが、彼女は一度捨てられた犬。私のことがいちばん好きなんだったら、彼女の気持ちを尊重しようと思って、うちにきてもらいました。

私が選んだのではなく、私を選んだ犬。保護犬、おすすめですよ。皆さんも是非、犬に選ばれるために保護施設に行ってみてください。ショップはブリーダーも犬の入手経路として否定するものではありませんが、犬に特別な人間として選ばれる体験ができる、かもしれません。

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