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出勤のチェックは、実はとても大事なセイフティネットだったはずだけど、今は・・・

働いている会社の総務部からメールで連絡が来ました。
「Aさんが、今日出勤予定なのにまだ来ていない。何か聞いていますか?」
メールが届いたのは、Aさんの出勤時間の1時間後。
このメールは私の部署のメンバー数名だけが宛先になっており、Aさんは私と同じ部署で働いている人で、メールの宛先に入っていませんでした。
Aさんは毎週水曜日に出勤予定でしたが、仕事の都合で急遽今週は別の曜日に出勤日が変更になっていました。ほどなくして、グループリーダーから、「すみません、Aさんの出勤日が急遽変更になりました」と返信が入り、この件は一件落着で終わりました。
総務部の連絡は、万一の事故などを心配しての連絡でした。

私は働き方が社員ではないので、このように勤務を管理される(してもらう)ことはありませんが、通常、会社員の場合は勤務が管理されます。
まず、この総務部の配慮がすばらしいと思いますが、「会社員」として管理される立場で組織に属していることでこうやって心配してもらえる、安心とはこういうことか、としみじみ思ったのです。

つい先日、取引先のえらい人が倒れて救急搬送された話を聞きました。
高齢の女性で、おひとり暮らし。わからないことが多くて、お見舞いに行きたくてもコロナで会えないし、会社の人たちが大変だったそうです。
私の周りでは一人暮らしの同僚(50代前半)が自宅で脳梗塞で倒れてそのまま亡くなった、という話もありました。決して高齢だから…というわけじゃありません。

以前、安否確認について書いたことがあります。
冒頭のAさんの場合は、主に通勤途中の事故を心配されての話でしたが、今や結婚しない人が増え、一人暮らしも増えているので、自宅で何か起きても誰にも気づかれないことも、珍しいことではありません。
それでも会社員の場合は、何かあって出勤しなかったら「あの人どうしただろう?」と思う人がきっと複数いるからまだ安心だ、と私は思っていました。
心配すべきは、組織に属していない人。会社を辞めた人、個人で仕事をしている人だ、と。

でも果たしてそうでしょうか。
一昔前なら、会社のデスクにいるはずの人が来ていなかったら一目瞭然。遅刻か無断欠勤ですから、連絡もなく来なければ、どうしたんだろう?となるのは当たり前でした。
でも今やリモートワークやフリーアドレスが増えてきて、皆さんの会社はどうでしょうか。出勤する人、しない人がいるばかりじゃなく、出勤時間もいろいろになっています。
「あれ?○○さんが来ていない、どうしたんだろう?」とすぐにわかりますか。
いくら在宅勤務が進んでも勤怠管理をしているから…という会社は多いでしょうが、すぐに気付くのかなあ。

自分が若かったころを振り返ると、細かくチェックされるのをうっとおしく思っていた面があります。
もう少し年重ね、後輩が無断欠勤や遅刻したりしたときには、うっとおしがられるのも嫌だし、まったく困ったヤツだ、と思うくらいでした。
でも実は大きなセイフティネットだったんだなあと今頃になって思っていたのでした。が、今やそうでもないかもしれない・・・

今回、私は働いている会社の総務部の温かさを改めて知ることになりましたが、冒頭のAさんは、そんな風に心配されていたことを何も知りません。
時代とともにガチガチの組織から緩い組織に変わり、働き方が自由に選べて、管理も自己管理中心で緩くなっていくことで、そういうセイフティネットも同時に失われるリスクもあるだろうなあ、と感じました。

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