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定年女子が将来不安なのは「お金」、~という話について

定年に向けてどうしようか?
定年後はどうなるんだろう?
そんなことを女性同士で語り合えるようなコミュニティーが作りたい。
そう思って、定年女子トーク実行委員会を発足して7年になります。

そもそも私がいろんな人とそんなことについて話したかった。いろんな人の考え方が聞きたかったから、でした。

気になるのはお金

このコミュニティにはFacebookグループがあり、
質問「あなたが定年で気になる事は何ですか?」で、
メンバーから寄せられる最も多い答えがお金の不安。
お給料がどれぐらい減らされるのか、その金額で生活していけるのか、退社するとしたらどんな仕事(お給料がもらえる機会)があるのか、などなど。

そうでしょうとも!
よくわかります。

新しい道を模索しようと意気揚々と会社を辞めた時の私だってそうでした。
いろんな仕事に挑戦するも、なかなかうまくいかず、かつての収入の半分も得られなくなると、収入が減ることが社会から自分が評価されていないことのように感じられ、自信を失い、生きている意味がないとすら思うようになる。
そんな長い時間がありました。

私が会社を卒業したのは定年の約10年前でした。
定年を見越して卒業したつもりでしたが、想定通りにはいきませんでした。
だから、退職後はまるで定年退職のシミュレーションをしていたようなもの。
当時は定年と言えば男性が一般的。世間では定年した男性を邪魔者扱いしたり濡れ落ち葉と呼ばれてだいぶ経った頃だったので、働き続けてきて辞めたばかりの私は、女も働き続けると男と同じだなぁと、まるで自分のことを言われているように思ったものです。
でも今になってみると、私の考え方はかなり偏っていたように思います。

何のためのお金なのか

そもそも私は何のためにお金が必要なのか。
そのためにはどのくらいお金が必要なのか。

そんなこと、当時の私は全然考えていませんでした。
気になっていたのは、自分の収入ダウンのことばかりでした。
定年女子の中にもそういう人が多いように思います。

役職定年でお給料ダウン。
定年後の再雇用で、大幅にお給料が下がる、など。
これまでもらっていた収入が下がることの衝撃が大きすぎて、不満や怒り、やるせなさなどで、俯瞰して冷静に考えられない。
でも、将来の不安という視点で改めて「お金」を考えてみれば、ここで大事なのは、自分は何にお金が必要なのか、将来のためにお金がどのくらい必要なのか、ということ。
不満や怒りは、不安とは別のことなので、切り離して考えてみたほうがいいと思います。

幸い、働き続けてきた私たちはそれなりの歳になれば年金がもらえます。
少ないとは言え、それは定期的に入ってくるものです。
人によって金額は違いますが、多少の貯金もあるでしょう。
中には、民間の保険をかけていたり、投資をしている人もいるでしょう。
不動産収入が見込めたり、親からの相続が期待できるラッキーな人もいるかもしれません。
お金は貯めているだけでは意味がなく、何に使うかが大事。自分を幸せにしてくれるために使えるかどうか、です。あなた自分が死ぬまでに、持っている資産を使い切れますか?!

シミュレーションしてみよう

いったい何歳まで生きるでしょうか。
もし80歳まで生きるとしたら?
もし90歳まで生きるとしたら?
そのとき、どんな暮らし方をしているでしょうか。何にお金を使うでしょうか。
実際にイメージしながら試算してみればいいんです。
年金や貯金、やりたいこと、家電の買い替えやリフォーム、不動産処分等々も加味して。
もちろん、あくまでもイメージ。
人生は必ずしも予定通りにはいきませんが、イメージがあるかないかは大違い。
イメージをもとに、修正をかけていけばいいと思うのです。

大事なのは「入り」と「出」のキャッシュフローが回るかどうかです。
収支が足りなければ、資産を崩していけばいい。

そのために考えたいのは、
日常的に(普段の暮らしで)どれくらい必要なのか。
暮らし以外にはどれくらい「出」が必要なのか。欲しいのか。
その上で、定年後の「収入」がどれくらいあるとキャッシュフローがうまく回るのか。

もうしばらく子どもの学費がかかる人、老親の介護費用を負担している人、もいるでしょうし、定期的な海外旅行や大好きな観劇はやめられないと言う人もいます。
人によって、「出」の事情はいろいろ。
資産も全然違うし、働き方もいろいろなので、試算してみないとことには始まらないんです。
あまり貯金がなくても、意外と大丈夫な人もいるし、その逆も然り。
お金はたくさんればあるほどいいかもしれないけど、キリがありません。1億あっても、2億あっても、不安な人は不安なようです。
定年後にどんなふうに暮らしたいかで、必要なお金の額が変わるし、もし足りないなら、その分は働けばいいと、私は考えています。
実際にキャッシュフロー表を作成してみるとよくわかりますが、ほんの少しの収入があるだけで、キャッシュフローは改善します。
幸い人手不足は当分続きそうなので、選り好みさえしなければ、仕事がないことはないでしょう。

心の安定を大事に考えたい

誰かに資産を残したいと思っているのだったら話は別ですが、そうでないなら、死ぬまでに持っている資産を使い切ればいいわけです。
そこで問われるのが、自分がどんなふうに暮らしていくか、ということ。
それは、私が何にお金を使いたいのか、そのものだと思うのです。

働き続けてきた私たちは、ある程度のお金を定期的にもらい続けてきたことで、それが当たり前になってしまいました。
その額が標準になってしまい、それよりも少ないと不満になってしまう。それよりも少ないと、自分の価値を下げられてしまったような気になってしまう。
そんな癖がついてしまったのではないでしょうか。
自身の心の安定から考えると、残念な話です。

仕事がつまらない、お給料が安いと不満を抱えている人がおおいなかで、長く専業主婦を続けてきた後に再び働き始めた人の中には、わずかな収入に感謝し、働く面白さに幸せを感じて、これからはもっと働いていこう!と意気揚々としている人を時々見かけます。
精神的にどちらが幸せかは、明らかでしょう。

私たち定年女子は、これからもずっと、今までと同じ金額が必要なのでしょうか?

これは自戒を込めて書くのですが、ただ不安だからとお金に振り回されているのは、やはり残念な気がしてなりません。
お金のせいで心を乱されてしまうのだから。
もし、キャッシュフローをみたときかに、それでも不足するようなら「働く」。
どこで働く?どんなふうに働く? 問題はそこですね。
それについて、いずれまた。

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