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入社後のアンマッチがおきやすい再雇用世代の採用 どうしたらよい?

役所等の公的機関や学校関係の仕事は、「会計年度任用職員」のように1年ごとの契約のお仕事が多く、そろそろ来年度の人員体制が決まり、「**係の**(職名)は任期切れだから新規採用しなければ」等の話が耳に入ってきています。採用担当者は頭が痛い時期が始まります。

採用担当者以外も認識すべき人手不足の実情

いまだに求人を出せば応募があるものだ、と思っている管理職がいますが、それは「お金をかけて求人を出せば」という話で、最近はお金をかけても応募がないことも多々あります。
「本当にそうなの?」、「本気で採用活動してないんじゃないの」等と言われることも多々あります。

求人難を理解いただく方法

私が採用担当をしていたときは、職安や無料で求人を出せるインディードしか使えなかったので、一つ一つの求人に対して
・エントリー数
・書類審査数
・一次面接した数
・最終面接に到った数
の記録をとりました。
そして、エントリーは50あったけれど、書類審査は25で、差分の25は何かという理由も、例えば「応募者が60歳以上」、「居住地が遠方」など区分をつくり見える化しました。
意外と多いのは、途中で連絡がとれなくなるケース。面接を約束しても現れないこともあります。採用をしている人なら誰もが経験したことがあると思いますが、「そんな非常識な人はたまたまだろう」とおっしゃる方もいるので数字で提示すると一目瞭然です。

再雇用世代の採用は難しい

求人を出しても応募がないケースって結構あります。
応募があっても、60歳前後の世代が多く、できれば現役世代をとりたいと皆さん考えるので、悩みます。

社会全体が高齢化しているのですから、再雇用世代を候補に入れないと、定員を満たすのは厳しい。年齢だけを理由に候補から外すのはもったいない気がしますが、特にこれまで再雇用世代を採用してこなかった場合は、書類や面接でどこを見たらわからず、採用後に「あ~」となることがあります。

書類で足切りせず、面接で見極める

応募書類では、応募している職種と経歴があまりにもかけ離れていないか、やみくもに書類を出している求職者も一定数いますのでチェック。
どうかなぁ・・・というレベルは、会ってみての判断をお勧めします。

面接は、面接官選びがポイントに

たいていの面接は、人事担当者、管理職(採用権限のある方、直属の上司になる方)が行いますが、再雇用世代の面接ではあえて現場の若い職員を同席させ、あえて若手に質問をさせることをお勧めします。
(これは、現場で実務を担う職、つまり肩書もなにもない「マンパワー」が期待される職に、再雇用世代を採用するケースの話です)

理由は、再雇用世代は上役の人とのお付き合いはお手のものですから、質問への受け答えも難なくこなします。でも、採用したら、20~40代の同僚と一緒に仕事をするのですから、彼・彼女らとうまくコミュニケーションがとれるかが問われるからです。

パワハラする再雇用世代を面接で見極めるには・・・

これは知人が実際にやっている方法ですが、男性の再雇用世代を面接するときには、20~30代の女性を面接官に入れ、あえて、何度も質問をさせるそうです。
例えば、「仕事内容は・・・というものですが、イメージされているお仕事と相違ありませんか?」、「(相違ないと返事をしたら)具体的にどんな仕事だと思われていますか?」、「もう少し詳しくお聞かせいただけますか?」など2回、3回と質問を畳みかけるようにすると、パワハラの気質がある男性は不思議なことに段々と怒ったような表情になるそうです。

難あり、でも他に候補がいない、どうする?

なかなか採用が進まないと、「このままだと新年度は欠員スタートだ!」と焦ってきます。いろいろな手続きを考えると、3月半ばがギリギリのライン。面接してみたら・・・
・パワハラ気質がありそうだ等の懸念がある。
・でも、それなりの企業に30年近く勤めていたんだから常識的なふるまいはできるだろう
・他に候補者はいない
・この人を不採用にするなら欠員スタートになる

・・・究極の選択ですが、たとえ一人であっても、職場を乱す懸念があるならば、特に、日本は解雇規定が厳しいですから長く居座られる可能性も考えると、見送ったほうがよいと個人的には思います。

実際は、人手不足なのに、欠員が出たら、不満も出ますよね。
「あ~、やっぱりやめとけばよかった」という人材を取ってしまったときにはどうするか? ここは次回書きたいと思います。


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