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50代経営者が人生後半ミッションを考える意義とは何か?

50代経営者・人生後半ミッションコンサルタント>の中川麻里です。

前回は、50代経営者の人生後半ミッションを考える仕事をするに至ったワケ 

についてお話しましたが、今回は、経営者の人生後半ミッションとは何か?ミッションを考える意義は何か?に迫りたいと思います。


1.経営者の人生後半ミッションとは何か?

経営者の「人生後半のミッション」とは平たくいうと、

「今後、自分は何のために生きていくか?」

ということです。

具体的には経営者としての

・具体的に何をするかという「行動指針」
・行動指針を生む自らの「価値観」
・価値観から導き出される「使命」

のことですね。

これらは、経営者があらゆる場面で重要な決断をする際に役立ちます。

私はそうしたことを経営者と一緒に考え、
経営者がそれに沿った行動をしていくお手伝いをしています。

ではなぜ50代の経営者が、
「人生後半ミッション」を考えるべきなのでしょうか?

2.50代経営者にとっての人生後半ミッションの意義

その理由の一つは、
人生100年時代と言われるようになった今
人生の折り返し地点でこの先の人生を考え
自分のエネルギーをやるべきことに集中させることがとても大事
だからです。

ほんの数十年前までは「人生50年」と言われていました。

実際に、1947年の日本人の平均余命は、
男性50歳、女性54歳でした。
(厚生労働省「完全生命表」より https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/20th/p02.html

一方、2022年の日本人の平均寿命は
男性 81歳、女性87歳です。
(厚生労働省「簡易生命表」より https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life22/dl/life22-02.pdf )

つまり、わずか80年足らずの間に
私たち日本人は今までの1.6倍の長さの人生を
生きることに「なってしまった
」のです。

この「伸びた30年」を
どう過ごすのかを問われている
のが、私たち50代経営者なのです。

最近でこそ「終活」「老活」など、
「人生の最終章に向けていかに行動するか」が
脚光を浴びるようになってきました。

それは「人生のおしまい」を想定し、
そこに至るまでに「身軽になろう」的な発想のように感じます。

しかしながら
「おしまい」を意識して身軽になる前に
伸びた時間の中でやるべきことがある、
経営者にはまだ何か仕事が残っている
、と思うのです。

3.「終活」ではなく「新たな花開かせる」活動

それは

おしまいに至る前にもう一花咲かせる

ことです。

たとえば、

・自分が経営の第一線を去る前に会社をより自律させたい
・会社をより成長させることができるような後継者を見つけその人を育てたい
・会社の更なる成長を実現する新たな事業をやり始めたい
・今の会社は適切な後継者に任せ、自分は別組織で新たな事業に挑戦したい
・自分の趣味やボランティアなど、経済活動以外の活動を充実させたい
・家族との時間を増やし家族との絆を深めたい

など、まだまだ自分の中に湧いてくる経営者らしいエネルギーを
何らかの有意義な活動に昇華させる活動
のこと。

経営者引退の時期は人それそれだと思いますが
仮にあと15年で引退するとして
あなたは何にエネルギーを注ぎたいですか?

それをすると考えると
ワクワクして前向きな気分になることは何ですか?

そうした活動は、
個人としてのさらなる成長であり、
あなた自身の人生を生きる意味や幸せにつながる活動でしょう。

4.50代突入で生ずる制約とギア変更の必要性

しかしながら、
50歳を過ぎると今までのように
バリバリと活動できなくなるのも事実…。

40代までは勢いや流れに乗り、
持ち前のエネルギーで何とかなったことが多かったと思います。

しかし50歳を過ぎると、
「何ともならないこと」が多く
なりますよね。

まず、体力・気力・スピードの低下︎が避けられません!
いずれも、無理がきかないようになります。
(もし深夜二時ごろまで無理して仕事をすると、数日引きずるようになる)

しかも
新しい何かに対する「おっくうさ」が出てきます。

特に

・新しいテクノロジーの習得
・流行りのものへのキャッチアップ

こうしたことに慣れるのに時間がかかりますし、
呑み込みも若い頃のようにササッとはいかなくなります。

40代までのようには、
がむしゃらに突っ走ることはもうできない。
そもそも「常に走り続けることはできな」くなる
のです。

よって今までとは
ギアをチェンジする必要がありますし、
やるべきことを厳選しそれに集中しなければなりません。

だからこそ50代経営者は、
自分が何に価値を感じ、何を実現していきたいのかというミッションを明確にする必要があるのです。

5.<失われた30年>への社会的責任

そしてもう一つ
「人生後半ミッションを考える」意義として私は、
日本の<失われた30年>を挙げたいと思います。

現在50代の経営者の皆様は、
バブル期以後30年間の
日本経済の中心的存在だったはずです。

経済の中心であるとともに
日本がどんな国であるべきかかのグランドデザインを考え、
そこに近づくためのさまざまな施策を実行していく
存在だったはずです。

しかし、私自身はお恥ずかしながら

・「右肩下がりは一時的なもので、そのうち何とか上向くだろう」
・「国のあるべき姿を考えるのはお上の仕事」
・「誰かが何とかしてくれるだろう」

という他力本願・当事者意識のなさに支配されていたように思います。

少なくとも私には
自分たちがこの国を何とかする、という気概がなかった…。

あなたご自身はどうでしょうか!?

しかし今ここで、
経験を十分に積んで
エネルギーもまだ十分にある私たち50代が立ち上がれば
日本はどうにかなるのではないか?

そのために
どこか他の国の真似をすればいい
ということではありません。

また
「右肩上がりのイケイケドンドン(死語)」が
日本のあるべき姿とは思いません。

しかし
「この国に生まれてきて良かったと思えない」ような
ジリ貧の国になっていくのはとても寂しいと思います。

この国をなんとかしたい!

日本らしさを大切にしながら、
次の世代を盛り上げていく。
持続可能な社会を作っていく。
そんな日本を作っていく必要があると思うのです。

6.中小企業経営者こそが日本らしさを形作る主役

そのために必要なのが
私たち50代経営者の力なのではないでしょうか。

ただ日本では当面、
力強いリーダーが国の方向性を決めて
国民を引っ張っていくようなリーダーシップは望めない
と思います。
(今の政治状況を見るとそのようにしか思えません)

逆に、
多くの個性的な中小企業が
この社会の形を作っていく主役
だと私は思うのです。

つまり、
個々の中小企業が自らのやるべきことや理想を明確にし、
それに沿って行動していくことで
より良い世の中を作っていく

簡単にいうと「三方よし」の考え方。

そんな積み上げ式なあり方が、
この国の行き詰まりを打開する現実的な方法なのではないでしょうか!?

だから

・多くの中小企業経営者が自らの価値観やミッションを明確にすること。
・そして企業としてのミッションをも明確にしていくこと。
・それを元に企業としての行動指針を作り、それに沿った行動をしてくこと。

で、経営者も・従業員も・お客様も・世の中も
皆よし」となる。

そんな循環を作ることがとても大事だと思うのです。

中小企業は、
日本の全企業数のうち99.7%を占めています。
(経済センサス活動調査より)
そして、私たちの生活に密着した
「顔の見える」サービスや商品を提供しています。

だから中小企業こそ
人(お客様)とつながり価値を分かち
「皆よし」を作る力になれる
のです。

7.まとめ

40代の10年間は、経営者にとって
「前を見て突っ走るのに懸命だった10年」だと思います。
実際に、目の前のこと・自分のこと・会社のことで精一杯だったのではないでしょうか。

しかし50代は
自分が走る速度が落ちるので(そうならざるを得ないのですが)、
周りを見まわしたり、周りを助けたりする余裕が出てきます。

そうやって、
「周り=社会、この国」をどうするかという
視野も持てるようになるのが50代だと思います。

だから50代経営者が
人生後半ミッションを明確にすることは、
個人の成長や個人の幸せのみならず
社会的にも意義のあることなのです。

私はそんな気持ちで経営者の皆様向けにセッションを行なっています。

ぜひ一度あなたのお話を聞かせてください。

そして経営者の個人的な幸せの実現とともに
この世の中をよくする活動をしていきませんか。

いかがお感じでしょうか。
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