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ミスマッチのリスクを回避する3つのポイント

7割がミスマッチという現実

これは人事から見た時の数値です。
過去に実績を出した人であっても、環境適応能力ないとなると大変です。
採用という仕事は面接をするだけではなく、その人の戦力をきちんと分析すること、インタビューからにじみ出てくる人柄や仕事のやり方などイメージをすることを求められます。
そのため、面接を立て続けに行なうと意外にも疲労感が襲ってきます。

幹部社員、マネージャー候補、メンバー候補というようにレベルも違いますし、職務内容も全く違うことになるので、頭の中は大変なことになることが、最初のうちはよくありました。

最初のうちはいろいろと間違ってしまったり、失敗することがたくさんありました。
そこから自分なりになぜ間違ってしまったのか、失敗することになってしまったのかを分析していくうちに、6割から7割は成功した採用という実感を得られるようになりました。

一般的には採用が成功している企業は3割と言われています。
理由は採用基準が明確化されておらず、各層で採用基準、レベルがバラバラであり、すべては面接官の経験則、先入観、思い込みから間違った採用をしてしまっている現実があります。

それにもかかわらず、採用担当者は私の見る目に狂いはないということを自負しているから不思議です。

なぜ6割から7割の成功した採用だといえるのかというと、そこにはトップから面接担当官、人事まで一貫した採用基準を作ることができたからです。
いくつかのポイントを見ながら説明していきたいと思います。

採用基準は倫理観

たいていの面接官の場合は採用基準を持っていないため、なんとなく望んだ面接にも転職サイトに載っているノウハウのようなものを質問してしまう。

当社への志望動機は何ですか?と言われても、相手は当然の質問と思い込んでいますから、よどみなく答えることができてしまうことになります。

その言葉を信用してしまい採用をしてしまうから、ミスマッチが起きてしまうのです。

採用基準とは何かという定義についてはいろいろありますが1つの例としては、世の中の基本ルールを守れる倫理観があることです。
倫理観のない人やコンプライアンス違反をする人は、これからの時代、企業人としては生き残れないと考えます。

その1つが面接時間を守れるかどうかということ。
私は面接開始の10分前になると入口付近でよく待機していることがありました。

面接時間に余裕を持ってくる人がほとんどですから、面接官がぎりぎりになってから迎えにあがったりすることは、相手への第一印象として悪い印象を与えてしまうというのがあるからである。

よくあるのが到着したら内線電話で呼び出してくださいと事前に言われており、面接当日に時間を過ぎても面接官が来ない。

10分過ぎても来ないということがあり、何度内線で話をしても確認してみますと言われ、1時間近く待たされた挙句に、エージェントさんには連絡しましたが、担当者不在のため面接が延期されていることを聞いていらっしゃらないのですか?などと逆ギレをされてしまう会社も中にはありました。

面接官はスケジュールを立て込ましているのであれば、連携していろいろな部署の人に伝えておく必要があります。
最近では、5分、10分遅れてから面接をする企業も増えてきています。
こういう会社は印象がわるくなるので、面接辞退率も高くなるということを肝に命じてください。
面接官の第一印象で最後のクロージングが変わるということを企業人事は知りませんから。

相手が時間を守っているにも関わらず、自分がスケジュールが押すというのは言語道断です。

面接官が時間にルーズという印象を与えると、その後どんなにいい話をしても、応募者は話が上の空になってしまって、内定出しをした際に辞退することが非常に多くあります。

タイムマネージメント、スケジュール管理というのは面接担当官であれば、
絶対に必要なスキルであり、社会的ルールを守れないのにも関わらず、人を見る目が肥えていると自負されても全く説得力がありませんから。

また、オンタイムで面接に来る応募者や数分遅れてくる応募者については
どんなに優秀な人であったとしても、採用することはありませんでした。

社会人としての最低限のルールが守れない人というのは、仕事ができない傾向があり、実績についても自分一人でやったみたいにいい、自分の手柄というように話をされる傾向があります。

そういう人に限って、仕事ができないというのは長年の経験でよくわかりました。

面接中でも工夫をすることを忘れない

よく面接の質問を工夫することでも、倫理観の有無を引き出すことができます。

例えば最初のアイスブレイクの時に、履歴書の趣味の欄にドライブと書いてあったら、「あっ!趣味がドライブなんですね。日頃から運転するのが好きなんですか?」と聞いてみる。
「えっ!?そうですけど…」と回答が来たら、「運転するときは飛ばしたり荒い運転をしたりするの?」と切り返す。
そこで「制限速度を超えて運転しますね。」と答えた途端、面接は終了することが多い。

次に重要なのは地頭力を見るためには、1つの正解のない質問をすることです。

例えば、中国と東南アジアの問題についてどう思うのか、日本中に電信柱が何本あるのか、貯金箱の金額が1週間で増えた理由など、事前に答えを用意できない質問して、地頭力を見ることもよくやっていました。

こういう質問が飛んできた時には、回答の内容自体に注目をしていることはありません。

予測しにくい質問をされた時、その場で瞬時に論理を組み立てることができるかどうか、そして相手にわかりやすく簡潔に回答をできるかどうかを見ています。

3つ目はコミュニケーションスキルを見ることにしています。
特に営業職として採用をする際には必要なスキルであるため、注視することになります。
単に話がうまいだけでなく、面接を終えたあとで「また会って話をしたい」と思えればスキルがあると考えます。

商談後に「この人からなら買ってもいいかな」と顧客に思わせる余韻があるかどうか。
これこそ真のコミュニケーションスキルであり、営業成績にも大きく影響してきます。

パワーランチというのはいろいろなことがわかる

私が以前に心がけていたのは、1回面接で会って採用してもいいかなと感じた人については、必ずもう一度合うことにしていました。
1回目は面接形式で行い、2回目は食事をしながらという形式でした。

1回目の印象より2回目の印象が良くなることもよくあり、それはプラス評価をしていました。

会う度に印象が良くなる人というのは入社後も周囲からの評判が高い確率で高かった。

一緒に食事をすれば、相手と長い時間接することができます。
食事の間にマナーを含めて、どんな態度で他人に接して、どんな考えを持っているのかというのがわかります。

面接の時には戦うという戦闘モードにスイッチが入っているため、いいところを見せようとして必死になって背伸びをすることがよくあります。

背伸びして見せるということは、相手に期待をさせるだけ期待させて、実は…ということで落差が大きくなってしまうことになります。

そのため、入社後もこの人のしたでは仕事ができません。とか、
こんなはずじゃなかったという人を採用してしまうことになります。
そうすると試用期間での雇い止めにする方向へ進んでいくことがあります。

食事をするということはできるだけそういうリスクを無くす事になります。
また面接形式ではないため、相手に話をしてもらうようにトークをまわす事によって、その人なりというのをしっかりと見極めることができる。

1次面接は人事や若手に任せてはいけない

なぜ人事や若手にまわせてはいかないかというと、インタビュー力がないため、深く突っ込んだ質問であったり、転職サイトの質問問答集に掲載されている質問をしてしまう。

そうすると表面的なことだけを削り取るかたちで面接が終わってしまうことになります。

限られた時間の中でも現場の決済権者か現場のトップが出てきて面接をすることをオススメします。

ススメる理由は2つあります。

1つは応募者に対してインパクトを与えることができる。

いきなり役職者や役員レベルが出てくるというのは、本気の採用をしているというスタンスをとれるからである。

もう1つは、たいていの場合は1次面接は人事が入ってしまうと、優秀な人材も不採用にしてしまう可能性がある。

採用基準が人事の視点と、現場の視点では全く違うことが原因です。

先程もいいましたが企業全体の採用基準が明確になっていないということもありますが、人事の先入観と思い込みというのは、現場とは全く違う方向を向いていることがよくあります。

そうならないためにはできるだけ決済権者か現場のトップが出てくることをオススメします。

時間に制限があり、多忙を極めているのであれば、信頼をおける管理職を複数名で面接させることも必要です。
そのためには、自分なりの採用基準をしっかりと伝えることがポイントですし、日頃から自分の面接に同席をさせておきながら、自分の採用基準について話をすることをオススメします。

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