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CareMakerの「これまでの歩み」と「これからの挑戦」

こんにちは。株式会社CareMaker代表の山村(@ymasa0624)です。
訪問看護・介護向け訪問スケジュール管理クラウド「CareMaker(ケアメーカー)」を提供しています。

先日社名変更と資金調達をお知らせいたしました。

また、直近で大きなアップデートも控えていたりと、チャレンジを加速する節目の良いタイミングですので、「これまでの歩み」から「これからの挑戦」について振り返りも兼ねて記します。

私たちが関わる医療介護業界の課題は、避けては通れない公の課題です。読者のみなさまを、この公の課題解決の当事者へと巻き込むこともCareMakerの仕事の1つだと認識しています。内容をご覧いただき、少しでも興味関心を持っていただければ、私たちにご連絡いただけると幸いです。


1/ CareMakerとは

これまで主に訪問看護向けにスケジュール作成の自動化サービスを提供してきました。今では訪問介護向けにも最適化し始めています。

https://caremaker.jp/

特にご評価いただくポイントは「シンプルで使いやすい」ことです。ご利用前の商談の場でも感じていただく機会が多いです。

どうして私たちは「使いやすい」と言われるプロダクトを開発できるのか、どんな想いで事業運営をしているのか。この文章をお読みいただけき、少しでもCareMakerのことをご理解いただけると嬉しいなと思います。

はじめからこのプロダクト開発をしていたわけではなく、紆余曲折を経て辿り着いた経緯があるため、「これまでの歩み」から振り返ります。

2/ 起業して早々に思い知らされるWhyの重要さ

私は、広告代理店からキャリアをスタートし、YouTuberの支援などインフルエンサーマーケティングを行う株式会社BitStarに務めていました。インフルエンサーという新たな産業や文化がまさに創られていくフェーズを経験する中で、私自身も社会的インパクトのあるコトを成したいと想い、2019年9月に創業しました。

そして、すぐに行き詰まります。

創業当初は、自社で企画・製造・販売を一気通貫で行うD2C事業を展開。課題があれば何でもできると過信し、「なぜこれを・私がやるのか?」を軽視してたことで、悶々とする日々を過ごしていました。

社会的インパクトのある産業課題を解き、BitStarで経験させていただいたような新たな産業や文化を創るような仕事をしたい。

と、正直な想いを見つけ、志向する状態とは程遠い今から環境を切り替えようと、2021年1月頃に自分よりも適任である企業様に事業を売却・ピボットを決意しました。

3/ 徹底した「課題」の探索期間

0からリスタート。

実際に課題がありそうな現場に出向いては、お困り事をヒアリングして、すぐに作れるものは作り、試しては潰し…を繰り返す日々。
この時期は何をやっても上手くいかず、再起とは聞こえは良いが、そこに至るまでの過程は、本当に暗闇を歩き続けている感覚でした。

それでも「課題は必ずあると信じ、起業家であり続ける」と決めていたので、とにかく行動をし続けました。

辛い時に、相談に乗ってくれる人。腹減った時に、飯食わしてくれる人。疲れた時に、サウナに連れていってくれる人。もっと成長したいから本気で向き合って欲しいという時に、厳しく率直なフィードバックをくれる人。
振り返ると、本当にたくさんの大好きな人たちに支えていただいているおかげです。

いいから、お前は事業やれよ。

と励まされるので、この先もどんな状況であっても、歩みを止めることなくワクワクしてるでしょう。

少し前段が冗長になりましたが…1つの転機を迎えます。家族旅行で実家に帰省しているとき、福祉の仕事に関わっている母親と会話をしているときにヒントを得ました。

おじいちゃんが「介護士さんや看護師さんの言うことは何でも聞かなあかんのや。じゃないと誰も面倒見てくれへんようなるやろ。」って。卑屈な想いしている人もおるみたいやで。

諸事情ある前提なので良い悪いではなく、その事実が1つでもあることに気づいた時、自分の中の"やる意義"にフラグが立つ感覚がありました。

このあたりで那智の滝を遠目に見て少しばかりの癒しを

4/ 最期まで個が尊重される社会の実現

私はこれまでYouTuberなどインフルエンサーと呼ばれる方々と一緒に仕事をする中で「個がエンパワーメントされる」そのムーブメントを体感し、インターネットの素晴らしさを信じられる経験をしてきました。

でも、そのムーブメントの主役は、若い個人や商人が中心だったのではないか。高齢者など福祉に関わる業界はどうか。サービスを提供する人も受ける人も、同じ恩恵を授かっている人はまだまだ少ないのではないか。

現場観察・インタビューを行う中で、この仮説は確信へ、そして私の中の"やる意義"に変わりました。

最期まで個が尊重される社会を実現したい。

この時点では広く業界の課題を直観的に理解したものの「具体的な現場の課題」は探索期間でした。ただ、自らの経験を活かし、ケアをする人・受ける人、双方をエンパワーメントするために医療介護業界の課題を解くことを決めました。

創業当初「えいや!」で決めていたのとは全く違う感覚で、「なぜやるのか」に自信を持って回答できることは、私たちの存在意義であり、原動力になります。

つながり・循環・人と人の共通項を最もシンプルな形に削ぎ落としたシンボル公開

5/ 業界の変化とサービスの着想

実現したい社会のイメージがつき、具体的に現場のどんな課題を解くか検討し始める中で、「業界の変化」に着眼しました。

コロナ禍で施設クラスターや病院の満床の中、在宅サービスが求められる機会が増えているだろうという仮説を元に、在宅領域に絞って課題インタビューを開始しました。実際に私自身も初任者研修の資格を取得し、訪問介護や施設でバイトをさせていただき、同じ環境に身を置くことで、業務上発生する課題を客観的に把握するだけではなく、当事者として体感するぐらいまで徹底しました。

スケッターUcareにもお世話になりました

弱さ故か自分の理解を優先し、気が付けば "私都合" の課題を解いている…なんてことに陥らないよう、私はありがたいことに過去の失敗経験があるので、"顧客" の課題を解くことに執着していました。

「ケアする人・受ける人、双方をエンパワーメントする」から逆算して考えられる要素のうち "マッチング・調整" に注目しながら、環境や業務の観察・インタビューを繰り返す中で、利用者の自宅にスタッフが訪問するスケジュール調整業務の大変さを捉えました。

6/ 習慣や想いまで紐解く現場検証

もう1つ "顧客" の課題に執着することに加えて大事にしていたことは、ワーク単体ではなくワークフローを見ることです。

例えば、管理者が電話を取るシーンで「なぜ今デスクに座ってパソコンを見ていたのに、電話を取るやいなや、立ち上がってホワイトボードの前に立って応答しはじめたのか」がわからないといけない。

普段のオペレーションに、現場ならではの習慣がたくさん潜んでいる。

この前提条件に気付けなければ、課題の程度を見誤り、使われない/使いづらいプロダクトになるだろう、と気を配っていました。

また、私たちは「プロダクトをこういう風に使ってください」というデモンストレーションよりも「●●様が行っていることを一度私たちにも体験させていただけませんか」からはじめるコミュニケーションを大事にしています。事実、私たちはCareMakerを使わなくても人力でスケジュール調整を上手くできる自信もあります(笑)

移動短くなるのもいいんだけど、ちょっと余裕を持たせてあげて、次の利用者のこと理解して、スタッフには訪問して欲しいんです。

お客様にとって新しいプロダクトを使う中で出てくる想いをいきなり表現するのは難しい。でも、今と変わらない習慣上であれば想いは引き出しやすいと考えています。(あまり多くは書かないですが)この想いまで知ることが後の「使いやすさ」を左右する要因になると思っています。

7/ CareMakerのこれから

作成だけではなくスケジュール管理に必要な機能をまるっとご提供

「使いやすい」と評価いただけるまでの努力や検証について記載してきましたが、今では作成のみならず管理を含む必要な業務をまるっとこれひとつで解決できる、そんなプロダクトへと進化してきました。

あらゆるツールにまたがり、たくさんの人に関わり、ワークフローが複雑になっているスケジュール調整は在宅領域に確かに課題だが誰も解決しきれていないとおっしゃるお客様が多いです。

  • 利用者とスタッフの希望を叶える作成時間削減

  • 無駄な移動時間を減らす訪問ルートの効率化

  • 誰でも利用者の受入調整ができる業務の標準化

など、生産性の向上に加えて、"双方の希望・やりたいを叶えるポテンシャルがある" と運営する中で感じます。

昔はゼンリンという紙地図を印刷して訪問場所に印つけて訪問していた時代から訪問看護をしているのですが、Google Map が使えるようになったとき以上に今とても感動しています。
CareMakerはいつか絶対誰か作ってくれると信じて待ち続けていたサービスです。

と、お客様から嬉しいお声を共有いただくこともあるほどです。

「わかることが増えると、またそれ以上にわからないことも増えていく」そんな状況にCareMakerはあり、とても機会に恵まれています。
新たな事業展開に向けたチャレンジと強い組織作りに努め、より現場に愛されるプロダクト開発・提供していきます!

8/ "自宅で看る"を国民希望水準へ

厚労省による在宅医療に関する国民ニーズの調査結果では、60%以上の国民が「自宅で療養したい」と回答しています。私も同じように思います。一方で、同じ資料の中にある在宅死亡率という指標を見ると、実情は13.0%が自宅で、75.8%が病院で最期を迎えているのがわかります。
(※訪問看護アクションプラン2025も参考)

出典:厚生労働省「人口動態統計」(2016年)

現状と国民の希望が満たされた状態には大きな乖離があります。
私たちはこの乖離を埋めるべく、業務の効率化・連携・供給量の拡充などさまざまな課題に挑戦するインパクト・カンパニーです。

純粋な動機と高い視座を持ち、ケアという生きるを支える営みをなめらかに・関わる方々をエンパワーメントするインパクト・ドリブンな集団であり続けようと思います。

以上です。
ここまで最後までお読みいただき本当にありがとうございます!
CareMakerの応援、引き続きよろしくお願いいたします!

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