CARLETTA

ロサンゼルス在住のワーキングマザー。日本にいた頃から音楽関連の仕事をフリーベースで続け…

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ロサンゼルス在住のワーキングマザー。日本にいた頃から音楽関連の仕事をフリーベースで続け、日米だけでなく世界規模で音楽業界をサポートするのを目標としています。海外からの権利ビジネスと音楽データに関する情報を整理・シェアします。バークリーオンラインで音楽ビジネスを学び直し中

最近の記事

ISNI 登録をする際に

日本でもISNIを受け入れるDSPやディストリビューターが増えてきたようで、ISNIに関する認知度が広まっているようです。 一方、それに対応するレーベルやアーティストさんは色々と疑問もあるようで、私もできる限り日本語で情報を提供していければと思っています。 ISNI登録を考慮した時にまず最初にお勧めするのが、ISNI内のデータベースチェックです。ご自身が登録していなくても、別の媒体から登録されている事があるので(特にWikipedia や MusicBrainz, Dis

    • 著作隣接権が秘める可能性

      出版権に関しての知識が増えてきましたが、仕事ではもちろん、最近よく学校のクラスでも取り上げられている著作隣接権(特にラジオプレイ)についてわかってきたことをシェアしたいと思います。 隣接権(Neighboring rights)も出版権のように原盤保持者(通常はレーベル)と実演家(メインアーティスト+バックミュージシャン)が徴収できる権利に分かれています。 なので、たとえば日本やヨーロッパのラジオで自分が作曲・レコーディングした曲が流れたら、出版からの演奏権の使用料と原盤

      • 英語タイトルの書き方

        日本人アーティストの名前や日本語楽曲のタイトルを英語(ローマ字)に変換する時にどう表記するか考える事もあるかと思います。 もちろんアーティストの意向や意味に合わせて表記するのも作品の一つとして大事だと思いますが、ファンやエンドユーザーの事を意識しての英語表記も考慮していく事はリスナー・再生数の拡大につながっていくのではないかと思います。 よく目にするのが日本楽曲のアルファベット表記がスペースなしで書かれているタイトルです。(例えば”時を超えて”を"Tokiwokoete"

        • 複数ID管理のすすめ

          以前の記事でそれぞれのIDについて簡単に書きましたが、最近同じ楽曲や人名でも複数のIDがあるのをよく見かけるでそれについてもう少しご紹介したいと思います。 まずは、一番多いISRCです。リリースされると各トラックにつくので、同じ曲でもバージョン(ライブ・リミックス等)や配信元の変更等でたくさんのISRCがある可能性があるため、レーベルや出版関連の方は全てのISRCを管理しておくことをお勧めします。DSPからきたレコーディングがどの楽曲とマッチするかわからず管理団体でそのまま

        ISNI 登録をする際に

          ローカライズされすぎた日本語曲-英語タイトルは効果的なのか

          最近はメジャー・インディーに限らず、日本語タイトル(オリジナル)と英語タイトルが多い楽曲が多いです。 メタデータの翻訳といっても、オリジナルタイトルの意味や意図に沿って英語翻訳をつけるのは作家を含むクリエイティブチームなので、外部のメタデータサービスがつける英語タイトルは翻字を基本意味します。 DSPのルールや色々な理由によって、オリジナルと英語・多言語の多重リリースを拝見しますが、多言語タイトルがオリジナルタイトルと全く違うためリリースが見つからないという事がよくありま

          ローカライズされすぎた日本語曲-英語タイトルは効果的なのか

          音楽メタデータのためのWikipedia活用法 - オフィシャルタイトルを公表する

          多くのデータキューレーションサービスが Wikipedia を信用できるソースとしてチェック・使用しています。ご存じの通りWikipedia は誰でも編集できるので、アーティスト個人はもちろんアーティストのチームが管理することが可能です。その中でお勧めしたいのが、オフィシャルの楽曲名を日英(その他の言語でも)両方公表しておくことです。アーティストのオフィシャルサイトにない限り、Wikipediaに載っている曲名をオフィシャルタイトルとしてメタデータに追加することがあるため、こ

          音楽メタデータのためのWikipedia活用法 - オフィシャルタイトルを公表する

          音楽ライセンスに重要なメタデータ

          日本のシンクロ(動画との同期)ライセンス事情には詳しくありませんが、アメリカ(+欧州) での映画・TV・広告等のシンクライセンスについて少しずつ知識が増えてきました。やはり権利収入の中で一番大きく&早く取れるのはシンクだと思います。前払いのシンクフィーの他、テレビなどで放送された時のパフォーマンスフィー(演奏権)とDVDなど複製からで発生するメカニカルフィーなど、露出の拡大以外にも大きな機会の一つです。 最近ではトップスターだけのものではなく、様々なメディアがあるおかげでイ

          音楽ライセンスに重要なメタデータ

          フリーランスとして海外のクライアントと仕事するのに

          カナダに数年住んでいた友達と話をしていた時に、英語を使った自営業をしている彼女でさえも海外のクライアントを探して仕事をしようとするのは躊躇すると言っていました。たしかに日本人相手とは違うエクストラな努力が必要かもしれませんが、日本のクライアントとは違った要望に応えられ、自分が思いもしなかった事で喜ばれたり重宝されたりします。 アメリカを拠点にしてから北米を始め南米•ヨーロッパ•東アジアなどの中小企業のクライアントとお仕事してきましたが、ネイティブではない私の経験から海外のク

          フリーランスとして海外のクライアントと仕事するのに

          大学に戻って音楽ビジネスを学び直す理由

          最初に留学でアメリカに来た時には学位に取るつもりはなく、自分でビジネスをスタートするための語学・知識とネットワークを得るのを目的に大学に入りました。途中子供を育てながら一学期一教科ごと取ったりしたのでカレッジで音楽ビジネスのサーティフィケイトを修了するのに何年もかかりましたが、興味があることを英語で学ぶという経験と知識はビジネスを始めるのにすごくためになりました。 それから数年自営でのビジネスの経験や悟りから、娘が小学校に入ったのを機に修士号を取るため大学に戻りました。実際

          大学に戻って音楽ビジネスを学び直す理由

          世界の音楽ビジネスのトレンド - アーティスト&レーベルサービス

          今学期バークリーで受講しているインターナショナルマーケティングのクラスや、アメリカの音楽業界の人達の間でもよく聞くアーティスト&レーベル(A&L)サービスですが、インデペンデントアーティストやレーベルがグローバルに活躍する今このようなサービスがトレンドになっているのを感じます。 昔(今も大手では引き続き)の主流であった”権利を買う・手渡す”ビジネスからいかに権利を守りながら自分のビジョンにあった音楽活動をするかが重要になってきている現代の音楽ビジネスの需要にこたえるのがA&

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          演奏権と録音権 - 両方からの使用料を得ていますか?

          アメリカの出版会社で働き始めてから権利ビジネスの知識を得始めまだまだ勉強中ですが、ストリーミングからの収益が大事になってきた今、どんなソングライターやプロフェッショナルもここのポイントはおさえておいた方がいいと思うのが演奏権と録音権からの収入と違いです。 色んな種類の権利とそこからの印税が発生しますが、大きく分けて演奏権(パフォーマンス)と録音権(メカニカル)に分かれます。パフォーマンスはパブリックで曲が使用された時に発生し(ストリーミングもパブリックに使用されているのでパ

          演奏権と録音権 - 両方からの使用料を得ていますか?

          日本の楽曲特有のメタデータ管理

          普段の作業で日本特有のアーティスト・楽曲のメタデータ入力に困難する事がよくあります。 まずはキャラクターソングです。多くは声優さんと一緒にキャラクターの名前がセットになっていますが、データとしては別のエンティティにすべきでどちらのエンティティをアーティストとして入れるかで話がでます。基本キャラクターの楽曲ということで、アーティストはキャラクターのエンティティを入れて関連アーティストとして声優さんを入れたりしますが、リリースする立場からはどちらを好んでいるのか気になります。

          日本の楽曲特有のメタデータ管理

          海外で見られる未支払いの日本の楽曲

          私はアメリカで各国の著作権団体や出版社用のサービスを日々扱っていますがあらゆるところで使用料が未支払いの日本の楽曲を見かけます。多くは日本語でそのまま表示されているので、言語の理由でマッチされてないか、メタデータの不足で楽曲や権利者が認識されておらず未支払いになっている気がします。どちらにしろどこからからオリジナルのデータがそのまま転送されているようで、もし仮にその曲を管理する権利があっても言語のせいで日本人以外は認識できない事もあるのではないかと思います。 また、世界中ど

          海外で見られる未支払いの日本の楽曲

          ISNI IDについて

          音楽データについて調べ始めた時からISNIという団体とIDについては認識していましたが、最近日本の業界の方たちとの話でもISNIについて触れることが増えてきました。まだまだ知名度の低い識別子ではありますが、世界各国でそして音楽業界でもISNIを採用している企業・団体を見かけます。 著作権関係だとアメリカのMLCは作家やアーティストの他、出版社やレーベルにもISNIを適用しているようで、使用料分配の部分でも使われてきているのが見受けられます。イギリスの著作権団体PRSもISN

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          ストリーミングから得られる収入

          自分の理解の確認のためにもここでストリーミングから得られるべきロイヤリティについてまとめてみようと思います。アメリカでの音楽出版から得た知識なので、日本のシステムは違うようなことがあればご理解頂いて、教えて頂けると幸いです。 1ストリーミングの使用料からストリーミングサービスがサービス料として取った後の残りの80パーセントをサウンドレコーディング(原盤)のオーナー(通常レーベル、DIYアーティストなら本人)に、そして残りの20パーセントをパブリッシャー(音楽出版社)に、10

          ストリーミングから得られる収入

          海外向けの歌詞のローマ字データ

          最近日本のシティポップが海外で広がっている中、うちの娘もソーシャルメディアを通して知った私さえしらない昔の日本語曲を口ずさんでいます。 やはり別メディアで知った曲をDSPでサーチするのは誰も一緒で、娘もタイトルはわからないけど、歌詞の一部の英語の部分(まだしっかり日本語で入力できないので)でサーチしたりして探しています。 (*娘のバックグラウンドとして、米国生まれで日本語のリスニング・スピーキングは普通ですが、読み書きは勉強中なので英語の方が強いです) そして表示されて

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