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全てのビジネスパーソンに必要なリーダーシップ

マッキンゼーの元採用マネジャー伊賀泰代さんの著書『採用基準』と聞いたらどんな基準が出てくると思いますか?
読み始める前はMBA所持者とかTOEIC900点以上とかIQ120以上とかを予想していましたが、noteタイトルにある通りリーダーシップをかなり重要視されていたそうです。
この本を読んだ後、リーダーシップという概念自体を誤解していたしその必要性について認識が甘かったと感じました。
このnoteを通して有益な情報を提供出来たら幸いです。

採用基準

本書ではまず最初に採用基準について5つの誤解があると指摘していました。
1.ケース面接に強い人
2.次頭が良い人
3.分析が得意な人
4.優等生
5.優秀な日本人
上記が必要ないとは書いていませんが『採用したいのは将来のリーダー』であると結論付けています。

リーダーシップの概念

では、リーダーシップとは?を確認してみましょう。
先ずリーダーシップは成果主義を原則とする環境で必要とされる能力や資質です。明確な成果目標までチームをリードするわけですから。
そのため目標達成できなくても許容される(ペナルティのない)チームではリーダーシップを発揮する人は必要ありません。厳密にはマネジャーであってもです。マネジャーは管理者であり責任範囲は労務・進捗・品質・予算といったものの管理です。
著者は日本では管理職というポジションとリーダーシップを結び付けられてしまっていると訴えています。
日本の企業における管理職は管理能力・リーダーシップ・プレイヤーとしての資質すべてが求められているのです。

また、リーダーは指示する人でも命令する人という意味でもありません。
しかし結果的にリーダーは指示も命令もします。そして傑出したリーダーは時に独裁者とか暴君と言われます。
なぜならリーダーは自分一人では達成できない成果に対してコミットしており、そのための努力を周りの人間に強く求めるからです。
そのため、結果にコミットしていなかったり、リーダーについていけない人がこのようなネガティブな印象を抱くのです。

リーダーのタスク

では次にリーダーのタスクを考えていきます。
前述の通りリーダーは明確な目標までチームをリードする人です。
そしてリーダーのタスクは大きく4つあります。
1.目標を掲げる
言わずもがな最も重要なタスクです。
これは具体的で誰にでも理解できる形で表現する必要があります。会社のミッションのような抽象的な目標では解釈によって異なった目標に向かって走り出すことになります。
また、目標を達成することで得られる効用も同時に掲げる必要があります。人間は打算的な生き物なので、報酬に見合わない努力はしないからです。
2.先頭を走る
未踏峰への挑戦であれ新技術の開発であれ、先頭を走る人には人一倍負荷がかかります。これは結果にコミットした人にしか耐えられない負荷です。
3.決める
日本の企業で働いていてもどかしく感じることが多い点です。
これから何かを始めるという段階で準備万端はあり得ません。また、それを追い求めると今度は機会損失の可能性が出てきます。
これは検討した施策に対して必ずGoサインを出せと言いう意味ではありません。NoGoの判断も込みでリーダーは意思決定をせよという意味です。
4.伝える
言わなくても分かるという考えは捨てましょう。ミスリードやミスコミュニケーションは、この『伝える』という行為が十分でないことが原因で起こります。コミュニケーションを重視し、掲げた目標をきっちりとメンバーに伝えましょうということです。

リーダーシップの学び方

リーダーシップは先天的な才能ではありません。訓練によって伸ばせる能力です。ここからはリーダーシップの学び方を考えていきましょう。
先ずはバリューを出すことを心がけます。例えば1時間のブレインストーミングがあって一言も発言しない人は居なくても構いません。最初は的を射ない発言をすることもありますが、自身の足りない部分を知ることが出来ます。これを続けることが基礎的なトレーニングになります。
また、こういった発言をする際は自分のポジションを明確にしましょう。賛成なのか反対なのか。正解/不正解を気にするのではなく先ずはポジションをとる。その後で評価することでリーダーシップが養われます。
そして自分が担当している仕事のリーダーは自分であるという意識で考えることです。上司の指示に従ってタスクをこなすだけではリーダシップは鍛えられません。
また、これらはリーダーに任命されてからではなく今から取り組みましょう。一般的にはリーダーシップが見についたから昇進するのです。この順番が逆だと昇進後に不幸になります。

リーダー不足に関する認識不足

次に著書では日本のビジネスパーソンに対して警告を発しています。
前述の通り、目標達成のためにリーダーシップは必須のスキルです。個人レベルでは達成できない規模であればなおさらです。
しかし、日本は”和”を重んじる文化だからかリーダーが育ちにくく、世界的に見てリーダーの総量が圧倒的に足りないと指摘しています。これは世界的に傑出したリーダーのことではなく、数名のチームであれリーダーシップを発揮する人が少ないという意味です。
例えばスポーツの世界で考えてみるとよく分かります。野球のように競技人口が多いスポーツでは日本は世界トップクラスのポジションを維持することが出来ます。一方で競技人口が少ないスポーツではそうはいきません。
つまりビジネスの場においてはリーダーの総数というのが競争力そのものになっているから、今の日本は非常に危険な状況にあると言えるわけです。

リーダーシップの必要性

ここまでくるとリーダーシップは日常的に使えることと後天的に鍛えられるスキルであることが分かります。
そしてビジネスパーソンにとって必須であるにも関わらず、リーダーシップを発揮できる人が少ないスキルであることも分かります。
つまり、もしあなたが今から自らのリーダーシップを鍛えてビジネスの場で発揮することが出来たら…
言わずもがなです。今すぐ行動しましょう。

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