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AI時代に求められるコミュ力

先日、元同僚との食事会でこんなことを言われました。「ITに強いこーのさんがビジネス部門にいてくれた時は良かった。今はシステムベンダとのコミュニケーションに苦労している。」※この当時は発注側でした
確かに一緒に働いていた数年前は、私が両者のコミュニケーションのギャップを埋めていました。
そして不思議に思います。

なぜ未だにこのギャップが埋まっていないのか?

コーディングはおろかシステムの要件定義すらAIがサポートしてくれる時代なのに。
いや、むしろこの上手くいかないコミュニケーションこそがホワイトカラーに残された最後の課題なのかも知れない。(大げさ)

コミュニケーションの3法則

コミュニケーションギャップが発生している原因と対策を考える前に、コミュニケーションを成立させるための法則を3つ挙げさせていただきます。

  1. 人は聞きたい話を聞き、話したいことを話す。
    元同僚はこんなことも言っていました。「システムベンダの提案はこちらの要望を満たすことよりも、自分達が売りたいものになっている。」
    元同僚はよく分かってると思いました。システムベンダは話したいことを話していて、元同僚は聞きたい話ではないので聞かないのです。
    親は子供に勉強することの重要性を説きますが、子供はそんな話は聞いていないのと同じです。

  2. 理解しても納得しなければ行動は伴わない。
    現代人は食べ過ぎと運動不足によって肥満になりやすいということは誰しも容易に理解できます。しかし、特にUSではこの20年間で肥満率が30.5%から42.4%に増えています。知っている、理解しているだけでは人は行動に移さない良い例だと思います。

  3. 何を言ったかよりも誰が言ったかが大事。
    「ネットに載っている情報を鵜呑みにしてはいけないと学校の先生が言っていた。」と言って学校の先生の言うことを鵜呑みにしてたりしませんか?この場合はネットに載っている情報も先生の言葉も鵜呑みにすべきではないと思うのですが、なぜか先生の言葉は信じてしまう。
    同じ提案でもAIよりも月単価が数百万円のコンサルタントの方がありがたく感じてしまう。そういうことだと思います。

コミュニケーションギャップの原因

私はコミュニケーションギャップが生まれる原因は以下だと考えます。
先ずはこちらが聞きたいことと相手が話したいことのズレです。この説明は先の3法則の中でも述べているので割愛します。
次が「出来ないことを提案されている」です。今ホワイトカラーが働いている環境は高度に専門化が進み、分業体制が確立されています。つまり一連の業務に携わる人が多岐に渡り、業務を変更するには非常に大きな労力を伴います。結果として小さなビジネスユニットの裁量の幅は極めて小さいのです。そのような中で「正論ですができません」と言う提案がされがちだと思います。
最後が誰が言ったかです。若くて優秀なコンサルタントと、経験豊富な部長クラスでは親子ほどの年齢差があったりします。関係が浅い段階ではどんな提案も通らないですよね…。

対策

ではこのようなコミュニケーションギャップはどのように埋めれば良いのでしょうか。
システム開発などを発注する側はシステムベンダの都合は分かりませんし、その逆もまた然りです。自社の属している業界に強いベンダであっても「察してくれ」と言うスタンスではギャップが生まれます。
よって本題に入る前に前提を十分にインプットorヒアリングしましょう。
困っていること、その背景、自分達が変えられること変えられないこと、提案や作業のアウトプットの形式などです。
これが出来ていればかなりの確率で3法則の1と2は回避できる確率が上がります。
3については取り急ぎは虎の威を借りましょう。信頼関係が出来てくればそれも不要になります。

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