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海外駐在員ではなく、ローカル採用を選ぶという冒険。

外資の日本支社or日系企業で海外駐在の2択

大学生だった私にとっては、「国際的な仕事」の選択肢は2つでした。日系企業で海外向けの仕事をするか、外資系企業の日本支社で働くか。外資企業の日本支社で働くのは、日本市場にフォーカスした仕事がメインなので海外に行きにくいのではないか、と思いました。帰国子女などすでに英語がネイティブなみに上手で日本で働きたいという人や、「コンサルや投資銀行のトップを見たい」など、海外志向とは別の動機で外資系の日本支社を選ぶ人が多いと思います。
日本で生まれ育って、英語も「日本人が努力したレベル」という人が国際的な仕事をしたい場合は、昔ながらのやり方ではあるものの、日系企業に入社して、海外駐在員を狙う方法が王道です。駐在員であれば、お給料は高いし、日本の本社とのリエゾンという、現地人とは別の役割を期待されているので、英語がそこまで上手でなくても付加価値をつけやすいです。
トヨタのヨーロッパ支社で働いていた頃、私自身、ヨーロッパ人同士の早い会話は理解できない程度の英語力しかありませんでした。それでも、日本本社の仕事の知識を現地人に伝えたり、現地人の面白いプロジェクトを本社に紹介したりしているだけで、活躍しているという感覚を持ちやすい環境でした。

外資系でローカル採用という第3の選択肢

トヨタを退社して、10年が過ぎました。私はMBA卒業後、「国際的な仕事」の3つ目の選択肢である、「外資系企業でローカル採用」を経験しました。ヨーロッパの3カ国で通算7年働きました。
やはり海外でローカル採用は苦労が多かったです。英語のハンデは感じました。自分のマーケットバリューを最大限活かすには、日系企業の駐在員にはかなわないと思います。日本にいた頃、英語が得意というのが私の一番の武器でした。それなのに外資系ローカル採用では、海外で、日本語が得意という私の一番の武器を全く使わずに仕事をすることになりました。
でも、そのことで逆に意欲がかきたてられたところもありました。東大卒というブランドも、日本の本社から派遣されているという政治力もない白紙状態から、外国人に囲まれたアウェイな環境で自分がどこまで通用するのか、体当たりでやってみたことは面白かったです。失敗しても、一度きりの人生、現地採用に挑戦したのは良い体験だった と思います。

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