見出し画像

めずらしいお客さま

年始早々、奥さんのおじさんが久しぶりに来日した。
住まいはロンドン、職業は僧侶。
叔父は世界中のあちらこちらを歩きながら平和活動している。


信じるものを持っているか?

昨日来てくださった若い女性のお客様が、
「無農薬のお米で作ったおむすび、とっても美味しかったです。シンプルな塩むすびなのにこんなに満足できるなんて不思議です。私、信仰する宗教の集まりでよく無農薬のお野菜を頂くのですが、うまく言えないのですが、満たされる感じがして。。本当に美味しかったです。ありがとうございました。」と帰り際に丁寧に挨拶をくださいました。

てっきり学生だと思った彼女の口から「主人が〜」と出た時にはダブルで驚いたのですが、このように若者の口から信仰する教えがあるのだと聞く機会がたまたま増えてきました。

日本人の感覚からすると、「宗教をやってる」というラベルが周囲から貼られると、たちまちそれだけで警戒されたり、距離を置かれたりする。
信仰心の強い親の元なんかで暮らしていると「あそこは〜」なんて言われたりもする。それがだいたい多いケースだと思っていました。

海外を自由に旅していた頃、同じように旅する世界中のバックパッカーたちとの会話の中で「キミの宗教は何?」という質問はとても多いのですが、その問いに対する日本人の答えで一番多いのが「特にない」でした。

ちょうどあれはチベットからヒマラヤを越えてネパールに入った時のことなのですが、その時に一緒に旅をしていたパーティの一人のイスラム系アメリカ人が同じように僕に質問してきました。

「強いて言えば『自分』かな。」と僕が答えた瞬間、彼はフッと鼻で笑い、こう言いました。

「信じるものを持たない人間を、どうやって信じろって言うんだ?」

この言葉は衝撃でした。
そしてこの後から自分の哲学について考えることになりました。


僕のまわりには、面白くてどこか欠けている魅力的な仲間がいてくれるのですが、彼らと話をしていると信じるものはそれはもう色々で、それすらも惹かれるものがたくさんあります。

その中に共通点をたくさん見つけます。
たとえばこれは一例ですが、

自分を満たしてあげることが周囲を満たすことへつながる

とか、

まず目の前にいる人を喜ばせる

などは当たり前の会話として飛び交います。

例えば彼がスピリチュアルを信じてるとか、超能力を信じてる、神様、魂を信じてるなんて言ってても、着地点は同じです。

これは仏教的な思想だと僕は教わりました。


コミュニテイから離れるリスク

叔父さんが日本で身体を休めている間に、ちょうどイギリスのEU離脱に関する国会決議がニュースとして流れたので、そのことについて質問してみました。

「メイ首相はどうしてこの考えを進めたいと思っているのですか?」

こんな曖昧な質問で返ってくる言葉はまるで禅問答のようで、自分の質問力の無さに悩みました。

「政治には必ず益を得られる人とそうでない人が在り、世界に影響力を持つ国では、国益と自己の利益を求める力が外へと働きます。それらは全て弱者を生み出します。世界がその大きなシステムの上に存在しているので変えることは難しいでしょう。ですが、それらをより良い方向へと向かわせる力を人は持っています。それが精神力です。そのためには子どもの教育に非暴力、不殺生について教えることを一番に考える必要があります。」

その言葉に続けてヘクター・ピーターソン少年の話をしてくださいました。

家族や集団、会社やコミュニティ、グループといった人と人が繋がり合ういずれかのご縁の中に所属している人が大部分を占める中、属する場所を変えることで生活環境が変化したり、人生の景色が変わったりします。

その中で損得を優先する社会が当たり前になると怖いなぁと思います。


真の豊かさとは何か?
どれを選択することが、誰の益になるのか?
自分が何を選べば人の喜びにつながるのか?

話を伺いながら、自分の立っている位置から見えているものに捉われていないか、自分自身に氣づけるようにならなくてはいけないなと思いました。



たまに僕に会いに来てくれる人がいてくださって、おしゃべりをされていきます。

それがこんな小さな友達の日はとっても嬉しい気持ちになります。

子どもには不思議な力があって、彼らからたくさんエネルギーをもらったりします。

赤ちゃんからもらうパワーは相当なもので、空気というか、温度というか、場の力を変えるだけじゃなく、僕らにも直接的にエネルギーを分けてくれるんですね。

年末に開催したキネシオロジーのワークショップで、赤ちゃんを抱っこしたままの状態で力が周囲にどう働くかを実験しましたが、僕らの体は無意識でプラスに力が働くことを体感しました。

そんなエネルギーをくれる子どもたちがいつも笑顔でいられる安心できる場所がもっと増えていったらいいなという独り言でした。




サポートされた資金で新しい経験をして、それをまたみなさまに共有したいと考えています。