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ため息209: T社のマーケティングマインド

車のセールスマン。
日産プリンスが「GTR」、「愛のスカイライン」、「ケンメリ」とトヨタとそれほどの差がなかった頃、新車のトップセールスマンと呼ばれた人たちは、後に一世風靡した証券マンと同じような暮らしをしていました。
その頃の話です。

☆N社の社員。
取引先、業者が来社するときは、N社の車で来るように指導。ライバル社の車で乗りつけるような業者は出入り禁止にする。N社の車でショールームに来店する見込み客は、歓迎する。

☆T社の社員。
ライバル社の車で、来社する業者やショールームに乗りつける見込客を歓迎する。他社の車を使っている取引先は、次回はT社の車に乗り換えてもらう。同様に個人客も次のマイカーはT社にしてもらえるよう、営業をかける。
T社のセールスマンは、自社の車に乗っているオーナーが、つぎの買換えで自社の車を再び選んでくれてもマーケットシェアは変わらない。しかし、他社から乗り換えてくれれば、マーケットシェアが増える。したがって乗り換えを優遇し、1台1台と市場占有率を高めていった。

☆飲茶レストランを経営している元ホテル宴会販売のトップセールスマン。
現役時代には顧客のところへ行くときは、そこの製品をかならず身につけ、ライバル社の製品が相手の目に触れないよう気を使っていた。化粧品の社長就任パーティーのセールスの際には、そこのコロンをつけ、香りに気を配った。

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