金言268:第二幕では、脇役を遠慮します

1)こだわり
小さいことに執着して融通のきかないことを、「こだわる」といいます。ネガティブな言葉です。「シェフのこだわりの一品」などは、適切な表現ではないようです。
まっ、そういう他人の言葉の誤用に気をとられることも、こだわりのひとつなので、こだわらないようにしたいと考えます。

2)脇役
しがない勤め人稼業が長い人生では、思わぬ主役のオファーがくると躊躇してしまいます。主役はやったことがないというだけのことなので、失うものなどそれほどないのですが、その先に何か底知れぬリスクがありそうで不安になります。一方、脇役は、こればかりやっていたので安心で居心地がいいのです。時々、主役の無責任な行為によって生じた損害の責任を負わされることはあります。

3)ブラックボックス
脇役は、いつもだれかのために、「納期厳守、品質向上」とかいうサポートサービスを提供して暮らしています。与えられた業務を要求されたレベル以上でこなすことができるということが、「脇役のこだわり」のひとつです。しかしながら、主役が交代すると不要になる脇役もいます。個性の強いこだわる脇役には、常に出番がまわってくるとは限りません。主役は感覚的に自分をサポートするスタッフをキャスティングします。こだわるような人は使いにくいし、自分のパフォーマンスに脇役のブラックボックスをいくつも抱えたくないはずです。

4)第二幕
脇役で定年になっても、嘱託や契約で半値以下なら脇役サービスを買ってもらえるかもしれません。これならリスクがないと勘違いして、次のステージでの今までどおりとは異なる役を辞退してしまいます。
現実では、指揮命令系統とは無縁の場所で暮らしているのにもかかわらず、あいかわらず夢のなかでは、様々な職場の上司がランダムに登場し、指示をしたり報告をもとめたりしてきます。脇役で長年かけてこしらえたブラックボックスの中身を、事業の継承とかいう理屈で公開するのは、もったいないです。第二幕があるなら、ブラックボックス保有者宣言をして、脇役は遠慮したいものです。

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