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ため息197: 某IT企業の常務さんの幻想

某IT企業の常務さんの幻想

「あいさつをしよう」

就任時、部下に訓示。
定時に出社する高度情報処理技術者は少ない。20分以上遅れて出社し、黙って席につきPCの電源をいれる。隣の席にいる同僚にメールで連絡をする。会議の時間変更もメールで送り、時間になるとひとり黙って会議室に行く。夕方になると、ふといなくなる。SE小僧は帰宅したようだ。
こんな社員が多い中で、朝元気に声を掛け合って、明るく仕事をしていこうということである。そして、同僚への連絡は原則的に口頭で伝えることにした。Eメールで連絡する際は、「離席していたため、外出中のため、メールで連絡します」と必ず一言付け加えることにした。

「勤怠向上は利益に貢献するかもしれない。」
このソフトウェア会社は上級管理職を筆頭に定時出社しない社員が多い。そこでこの常務さんが人事に、「フレックスにしたらどうか」ときいたところ、色白の人事担当者からこの会社には、そぐわないという答えが返ってきた。「出退勤の時間管理が必要。時間を記録する仕組みが必要。」という理由だ。

この会社は成果主義をとりいれているので、成果があがれば勤怠はたいした問題ではない。ところが、減収減益の世の中になった。減益でリストラは避けられない。社員の勤怠は悪い。株価は上がらない。
基本にもどって、朝は「お早うございます」と声をだせば、自然に勤怠が向上し、モチベーションも回復し、全社的な利益に貢献するのかもしれない。

ただし残念なことがある。当の常務さん 定時に遅れて出社すると黙って席に着く。

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