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ため息226:ボールがゆっくりと回転して向ってくるのが見える

プロ野球のミスターのアドバイスは、一般選手には理解できない内容であったといいます。投手の投げたボールが止まって見えるから、そこをたたけばいいといいます。絶頂期の選手は、ボールがゆっくりと回転して向ってくるのが見えるそうですから、バットを合わせれば飛んでいきます。守るときは、打者の打ったボールがゆっくりと向かってきますのでそこにグローブを持っていけば、ボールが飛び込んできます。
きっと米大リーグで活躍している日本人選手も同じ経験をしているはずです。ただ口にだすと、ボールの動きが早くなってしまうことを恐れているのかもしれません。

営業のプロも同じことをいいます。大きく成績を伸ばした月の営業会議では、その理由を聞かれても明快な返事はしません。大きく成績が下がったときは、饒舌になります。成功したときは、理由をいう必要はありません、結果がすべてですから、売上が伸びた理由はよくわからないと答えます。成功事例を共有することはできないことを知っています。二匹目のどじょうはいないし、昨日大漁だった漁場には今日も獲物がいるとはかぎりません。もちろん、本当の穴場は教えません。

儲けている人は寡黙です。こうすれば儲かると教えるプロは、ご自分がその方法で儲かっているわけではなく、その情報を売って儲けている人が多いような気がします。本当に儲かっている人の話は、多分儲けていない人には理解できない内容だと思います。きっと、市場で今買えば儲かりそうだ、今売れば儲かりそうだというサインが見える人たちの話ですから。

そういえば確かに学生時代、卓球のボールがゆっくりとはずみ、マークが回転しているのが見えた瞬間がありました。その頃は、目の前で弾んだボールが頂点に達する前にたたき、相手コーナーに打ちぬいていました。

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