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人材紹介の成約が意味するもの

皆さん、こんにちは。カタリストエージェントの勝田です。
前回投稿した記事『人材コンサルタントの資質で重要なこと』はとても多くの方にお読み頂き、また共感する声も多数いただきました。本当にありがとうございます。記事は下記をご覧ください。

この記事の中で私は、人材コンサルタントとして必要な資質として「誠実さ」を取り上げ、人材を「モノ」のように扱う考え方とは対極にある点をお伝えさせて頂きました。

また、このようなスタンスをベースにして人材業界のイメージをもっと良くしていきたいというメッセージに対して共感をしてくれた同業の方もいらっしゃいました。
今回はこのような点を踏まえ、前回取り上げた内容をもう少し掘り下げて「人材紹介の成約が意味するもの」について見ていきたいと思います。


人材紹介の「成約」についての二つの捉え方

最初に人材紹介の成約(=決定)についての捉え方について見ていきたいと思います。これには二つの捉え方があると思います。

まず一つ目は前回の記事で取り上げたように、「成約=○○円」という(売上)金額で捉える見方です。

もちろん多くの人材紹介コンサルタントは営業という側面がありますので会社や所属組織における売上での貢献は当然大事な点です。また、実際に多くの企業ではコンサルタントの評価は売上に基づいてなされますのでこのような金額で捉えること自体を否定はしません。ただこれが行き過ぎると人材を「モノ」のように見る見方が染み付いてしまい、会社もコンサルタントも数字(=売上)に対しての会話が増えてくるようになっていきます。

このような事が常態化するとほとんどの場合、社内での目標の達成率とか自分の年収などの内向きなことばかりに目が向き、一番大事な「顧客」に対する観点が完全に抜け落ちる事があるので注意が必要です。

続いて、もう一つの捉え方は成約を「人材」の側面から捉える見方です。具体的には成約した人を仮にAさんとすると、その成約がAさんに対して以下のような貢献をしたと考える見方です。

■人材の側面から捉える成約
・Aさんの新たな職場の確保(=雇用の創出)ができた
・Aさんの新たなキャリアアップの機会の創出ができた
・Aさんの働く環境(人間関係・職場など)の改善ができた
・Aさんの働き方の改善(=ワークライフバンスの改善)ができた
・(場合によっては)Aさんの収入のアップができた

 

以上の例は一例ですがポイントは「成約=Aさんに対する価値貢献」という捉え方をするということです。これは最初にあげた成約を金額で捉える見方とは対極にあり、ビジネスのリアルな側面を表しているというのがポイントです。

3つ目の成約の捉え方

実は、人材紹介の成約にはもう一つ重要な捉え方があります。それはクライアントにとっての意味合いです。例えば先ほどのAさんが入社したことによって当該企業の状況によっては以下のような様々なインパクトを考えることができます。

■クライアントから見た成約
・事業が回るようになった(=欠員補充)
・事業拡大が見込めるようになった(=増員、マネジメント)
・組織が活性化した
・新事業に取り組める(=新たなノウハウやネットワークの確保)
・新拠点を設立できる(=マネジメント)

    

人材紹介の成約が意味するもの

ここまで見てきたように人材紹介の成約は捉え方によって3通り(数字・人材・クライアント)があると言えます。そのような中で私はこの3点をバランスよく見ておくことがとても重要だと考えています。つまり、数字の部分のみに引っ張られてもいけないですし、人材やクライアントにとっての意味合いだけを考えて数字を度外視するというのもまた違うでしょう。

ただ、いずれにしても忘れてはいけないのは前回も述べたように人材紹介の仕事はリアルな「人」を扱っているという点です。その意味で数字では見えない求職者や企業の喜びや感謝という部分にもしっかりと目と耳を傾けておく事がとても大事だと思っています。

このような点を意識することで初めて人材紹介の仕事における本当の意味ややり甲斐を感じられるのだと思います。

今回は人材紹介の成約について様々な側面から見てきました。成約を単なる数字として捉えるのではなく、その裏にあるリアルな人の動きや気持ちにも敏感になることで1人でも多くの人が人材紹介の仕事の魅力について実感できればいいなと思います。その積み重ねにより、人材業界全体がより良くなっていけば更に嬉しいです。

転職・採用に関する相談は是非、お気軽に弊社までお問い合わせください。


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