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場面緘黙のカウンセリング:認知行動療法カウンセリングセンター広島店

認知行動療法カウンセリングセンター広島店の岡村です。今回は場面緘黙に対して認知行動療法によるカウンセリングが実際どのように行われるかについてまとめてみたいと思います。

場面緘黙(選択制緘黙)とは

場面緘黙は、学校など特定の場所において発話を困難とするが、自宅などでは通常の発話が可能な困りごとです。DSM-5では不安症群に分類されます。5歳未満で発症することが多いですが、小中学生の頃に発症する場合もあります。

場面緘黙への認知行動療法

まずは聞き取りにより場面緘黙がどのような状況において生じ、逆にどのような状況であれば発話可能なのかを明らかにしていきます。合わせて発話が困難な状況での過ごし方やコミュニケーションの対処法(筆談など)についても整理します。聞き取りを通して発話を困難にしている要因を明確にしています。場面緘黙と一言でいっても十人十色ですので一人ひとり丁寧な聞き取りが大切になります。
発話ができない状況において少しずつ色々な音を出していくという方法もありますが、緊張を強めてしまいかえってうまくいかない場合もあります。場面緘黙に限った話ではありませんがポイントとなるのは「安心感」なのだと思います。多くの場合、安心感を十分に感じられる自宅などにおいては発話が可能な方が多いです。逆に普段関わらない人がいる状況においては不安感が強まり発話が困難となります。もう一つ難しいのが発話を目的した場合、その目的自体が不安感を高めてしまう場合もあります。ではどうすれば良いのでしょうか。発話そのものよりも「安心感を感じることのできる状況の拡大」が大切になってきます。例えば、これまで入ったことがない飲食店に行くと多くの人は不安を感じ緊張します。しかし、誰かと一緒に何度か行っているうちに安心できる場所になったということはありますよね。ただ、繰り返し行けばどうにかなるというものでもありません。その理屈なら、学校など毎日通っている場合、いずれ話せるようになるはずですかね。しかし実際はそうはならない。それはどこかで警戒心が続いているからです。あとは、突然話すことを想像した際、周りの人に驚かれることも緊張に影響を与えます。
安心して発話可能な状況に、少しずつ本来であれば発話を抑制する刺激(人など)を取り入れます。例えばカウンセリングルームに家族と場面緘黙の本人のみの状況であれば小声で話せるとします。そこに少しずつカウンセラーが近づいていくのです。なんといいましょうか。誰もいない空間でカラオケをしているところに遠方から少しずつ人が近づいてくる。それでも歌い続けていると人が傍にいても歌い続けることができるのに似ているやもしれません。
このようなことも積み重ねにより発話が可能な場所や人を拡大していきます。

認知行動療法カウンセリングセンター

認知行動療法カウンセリングセンターでは、広島・沖縄・オンラインで認知行動療法によるカウンセリングを実施しています。場面緘黙のサポートもしておりますので関心がある方はぜひご連絡ください。


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