春を待ちわびる時間

画像1 なんでもない日。私は誰だろうかと考えてみる。遠い遠いところから繋がっている私というなにか。掴めそうで掴めない、わかるようでわからない。知りたいような知りたくないような。コトコトと刻まれる時計の音の上に、自分の鼓動をそっと重ね合わせる。始まりと終わりと終わりと始まりと。求めるぬくもりは、伸ばした指先に届くだろうか。答える人のいない午後の、けれど春を待ちわびる光は優しくて、その中でゆらめく柔らかな影は、時間の向こうにあるものを知っているような気がした。

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