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【詩】二人の時間のその奥に

夜に夜を重ねて、
肌に肌を重ねて、
熱を奪い合い、
喜びを奪い合う。

眠ることを知らない南の街のテラスで
飲み干したのはあなたとの時間。

何一つ残すことなく私の中に。
誰にも気づかれることなく私の中に。

呼吸の合間の囁きだけが
あなたと私の真実だから。
食い込んだ爪の痛みだけが
あなたと私の心の声だから。

だから。
だからお願い。
これを愛なんて、
そんな言葉では決して呼ばないで。

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